SHINee、6年ぶりの東京ドーム公演 デビュー15年経てもなお愛され続ける4つの理由

2月24日と25日、SHINeeが約6年ぶりとなる東京ドーム公演『SHINee WORLD VI [PERFECT ILLUMINATION] JAPAN FINAL LIVE in TOKYO DOME』を開催する。2023年9月30日よりスタートしたアリーナツアー『SHINee WORLD VI [PERFECT ILLUMINATION]』のフィナーレを飾ることとなる同公演。韓国でのデビューから15年が経ち、日本でのデビューからももうすぐ13周年を迎える彼らの東京ドーム公演を、今もなお、多くのファンが心待ちにしているのはさすがの人気と実力である。

SHINeeはなぜ、日本において、このように大勢のファンから長きにわたって愛されてきたのだろうか。さまざまな理由が考えられるが、今回は東京ドーム公演の開催にちなみ、「コンサートから感じられるSHINeeの魅力」という点に絞って考察してみたい。

コンサートから感じられるSHINeeの魅力は、大きく分けて4つの要素があると筆者は考えている。

1つ目が、どんなに大きな会場でも、コンサートが始まった瞬間から空間全体を“SHINee色”に染め上げることができる圧倒的なカリスマ性だ。SHINeeのコンサートは、会場が暗転し、メンバーがステージに登場した途端に、その場の空気がピリッと変わるのだ。メンバーの表情や姿勢、一挙手一投足が、SHINeeならではのコンサートの雰囲気を作り出しているのである。公演開始後、数秒でこの空気を会場全体にまとわせることができるのは、彼らのキャリアの長さも影響しているのかもしれない。このすごさは、ぜひ会場で味わってほしいポイントである。

2つ目が、どんなコンセプトも、どんな振付や歌も、自分たちのものにしてしまうパフォーマンス力の高さだ。これはコンサートでなくとも、MVや音楽番組に出演した際の動画などを見れば明らかになる特徴にはなるが、やはりコンサート会場で彼らのパフォーマンスを目にすると、視線が最初から最後までSHINeeのメンバーに惹きつけられてしまうすごさがある。ポジティブで明るい楽曲を楽しげにパフォーマンスしたり、ダークな雰囲気の楽曲では獣のようなクールな視線を客席に送ったりと、多彩な表現が繰り広げられるステージは2~3時間の公演が「あっという間だった」と感じられるほど。難易度の高い振付や歌も全メンバーが自分のものにしてパフォーマンスをしており、「全員がメインボーカル、メインダンサー」と称される理由が、コンサートから実感できる。

3つ目が、MCでのトークから垣間見える各メンバーの個性や素の表情と、メンバー間の仲の良さだ。SHINeeのコンサートのMCは、基本的にすべて日本語で自由なトークが繰り広げられる。メンバーがその場の空気を感じ取りながらトークをしてくれるので、その公演ならではのおもしろい場面が生まれることもある。例えば筆者が以前取材した2023年11月28日の国立代々木競技場第一体育館での公演では、久しぶりに披露した「Downtown Baby」の曲名に込められた意味についてトークが行われた。TAEMINが「(『Downtown Baby』とは)渋谷にいる女性、みたいな意味?」と言葉を発すると、KEYがすかさず「ダウンタウンで生まれた知り合いの子ども(という意味)です(笑)!」「それを記念して(『Downtown Baby』を今回のツアーで)歌ってる」と新しい見解を披露して、会場を笑いの渦に巻き込んだ。

パフォーマンスではクールで華やかなカリスマ性を身にまとっているだけに、MCで見せる肩の力が抜けた自然体な姿は、親近感の湧くギャップがある。そうしたギャップも、多くのファンを惹きつけてやまないポイントと言えるのではないだろうか。

4つ目は、トップアーティストにもかかわらず、一人ひとりのファンを大切にしている点である。SHINeeのコンサートでは、メンバーとの間に不思議な距離の近さを感じることができる。彼らはコンサートの中で、言葉だけでなく態度でもファンへの愛をたっぷりと伝えてくれる。例えばトロッコに乗ってで会場内を巡回するとき、メンバーはただ手を振るだけでなく、機材から大きく身を乗り出して一人ひとりのファンと目線を合わせようとしてくれるし、2階席、3階席のある会場であれば、メンバーのうち誰か一人は上階の席に目線を送ってくれることが多い。会場全体のファンに愛と感謝を伝えようとする彼らの姿があるからこそ、多くの人がSHAWOL(SHINeeのファンの総称)で居続けたいと思うのかもしれない。

このように、コンサートからもさまざまな魅力を感じることができるSHINee。本日2月25日に開催される東京ドーム公演2日目も、大勢のファンに囲まれて、きっと大盛り上がりのコンサートになることだろう。

(文=市岡光子)

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