唐津市厳木町出身のシェフで、東京の「銀座季楽」で総料理長を務めた吉野好宏さん(77)が21日、3月で閉校する厳木小(前田雅利校長)で記念のランチを振る舞った。全校児童約70人が地元の食材をふんだんに使ったメニューを味わい、学び舎での思い出として胸に刻んだ。
「ありがとう厳木小ランチ会」と銘打ち、吉野さんは佐賀牛のハンバーグ、地元産フルーツと野菜のカレーライスをメインに、天川地区の栗を使ったケーキ、イチゴやミカンのジュレなどのスイーツでもてなした。
吉野さんは「皆さんの祖父母が厳木の山でスギを切ってこの校舎を作ったからここで勉強できている。そういう先輩に感謝し、僕の料理を通して地元においしい食材があることを感じてほしい」と語りかけた。
厳木小は4月に箞木小と統合し、厳木中で小中併設校として新たなスタートを切る。5年の荒久田芙佳さんは「おいしすぎて、学校がレストランに変わったような気分になった。4月からは協力し合って楽しい学校にしたい」と話した。
吉野さんは20代で渡欧、ロンドン、パリで修業を積み、東京でフランス料理店をオープンした。1995年のフジテレビ系ドラマ「王様のレストラン」では料理を監修。銀座季楽や宇都宮グランドホテルで総料理長を務め、現在は多久市で「びすとろ ひろ」を営む。(松岡蒼大)