人形のまち、色鮮やかに さいたま市岩槻区「まちかど雛めぐり」来月10日まで

恒例のおひな様パレードに参加した子どもたち=23日、さいたま市岩槻区本町

 全国有数の人形の産地、埼玉県さいたま市岩槻区で、第21回「人形のまち岩槻まちかど雛(ひな)めぐり」が23日、始まった。東武岩槻駅東口周辺の商店街から参加した約60店舗や施設を会場に、地元人形職人の作品や地元商店に伝わる人形の展示が3月10日まで行われる。期間中は名所を巡るスタンプラリーや飲食店の限定メニューを楽しめる。

 初日恒例の「おひな様パレード」は雨のため、屋内で行われた。今年は小1~6年の小学生17人が色鮮やかな衣装を着て、緊張した面持ちで静々と歩いた。市立岩槻小学校6年の平山新菜さん(12)は3回目の参加で、初めてお姫様役を務めた。衣装はずっしりと重く、「緊張したけれど、楽しかった。やりがいがありました」と話した。

 国登録有形文化財の「東玉大正館」(旧中井銀行岩槻支店)では、江戸から昭和の人形や地元の人が作ったつるし雛が飾られている。受付ボランティアの元中学校長大河内哲二さん(76)は岩槻生まれ。子どもの頃は路地裏に、人形の頭(かしら)や髪結いなど家内工業の家が多かったという。「人形は岩槻の伝統文化。時代により表情が違うので、多くの人に訪れて見てほしい」と呼びかけていた。

 コミュニティセンターいわつきでは小学生創作のひな人形展、久伊豆神社などではつるし雛を展示。岩槻人形博物館では25日まで、伝統的な七段飾りや小道具、人形製作の工程を紹介している。

 愛宕神社の「大雛段飾り」は23日、雨のため中止された。25日、3月1~3日にも開催される予定。

 問い合わせは、実行委事務局(電話070.1535.8177)へ。

東玉大正館に飾られている江戸から昭和の人形、つるし雛
岩槻人形博物館に展示されている伝統の七段飾り

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