もう遅いはない 58歳でパソコンを始めてゲームアプリ開発 老いてこそデジタルが必要/岡山・美作市 

世界最高齢のプログラマー・若宮正子さん(88)による講演会(岡山県美作市主催)が23日、同市福本の英田公民館で開かれ、年齢にとらわれずに学び続けることの大切さについて話した。

若宮さんは会社員時代に58歳でパソコンを始めて独学で習得すると、2017年にゲームアプリ「hinadan」を開発。この年アップル社による世界開発者会議に招待され翌年、国連総会で基調講演を行うなど活躍し続けている。

「私は創造的でありたい~人生にもう『遅い』はない~」と題し、戦後の幼少期や海外での体験談を紹介。デジタル先進国で、国民の幸福度が高いとされるデンマークを訪れた際、「高齢者自身がなるべく介護者の手を借りずに生活できるような機器の導入、細やかな配慮をしていた。この“自立を尊ぶ”精神は今後の高齢者のあり方になる」と強調した。

さらにAIを活用した災害時の安否確認や移動手段の確保、買い物、健康管理といったスマホの活用法を紹介。「人生は100年時代で、老いてこそデジタルが必要。学び続けることで知恵を養ってほしい」と締めくくった。

同講演会は美作市男女共同参画講演会として実施し、市民ら約170人が聴いた。

若宮さんの講演に耳を傾ける参加者

© 津山朝日新聞社