猫は「階段」がお好き? 階段を上ったり下りたり、途中でくつろぐ猫の心理は

階段は人にとって上の階と下の階を移動するための通路ですが、猫から見ると少し違うとらえ方ができるようです。今回は「猫にとって階段はどんな場所?」をテーマに、階段で運動したり、リラックスしたりする猫の心理について、愛玩動物看護師の小野寺温先生にお話を伺いました。

猫にとって階段はどんな場所?

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー

屋外で暮らす猫たちが、人通りの少ない階段でくつろぐ姿を見かけることがありますよね。

飼い猫より警戒心が強い外猫にとっても、階段は安心して過ごせる場所になっているのでしょう。猫自身も、階段は万が一で敵が近づいてきたときに逃げやすく、自分にとって都合のいい場所だとわかっているようです。

安心できる場所だからこそ、足を伸ばしたり、ウトウトしたりしてしまう猫がいるのでしょう。

猫が階段で伸びをするのはなぜ?

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー

階段を利用して伸びをする猫がいるのは、斜め方向に伸びるのが好きで、安心な場所だととらえているからです。

伸び方には好みがあり、水平方向や垂直方向に伸びることを好む猫もいますが、斜め方向に伸びることを好む猫にとって、階段はもってこいの場所でしょう。

また、伸びは敵に隙を見せる行為。そんな伸びを猫が階段でしていたら、そこが安心な場所ととらえている証拠といえます。

猫が階段で人と競争するのはなぜ?

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー

人が階段を上っていくことを、イベントのように感じる猫もいるようです。人が階段を上がるときに猫が追い抜かしたり、先導したりするのは、遊びのような感覚で楽しんでいるのでしょう。

また、階段を上る飼い主さんの前にいれば必ず見てもらえるため、「見てもらえるのがうれしい」「2階で飼い主さんと何かできる」と期待して競争する場合も。

複数匹の猫が違う段でくつろぐのはなぜ?

引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー

同居猫が複数匹で違う段にくつろいでいるのは、場所を取り合う必要がないからです。

猫が安心できる高い場所は、複数飼いの家では場所の取り合いになりがち。しかし、複数段ある階段なら、取り合いになりません。猫同士の関係によって距離も調節できるので、のんびりと過ごしたり、飼い主さんを待ったりするのに絶好の場所といえるのです。

猫にとって階段は、いろんな条件が重なって、安心できる多目的スポットになっていることがわかりました。もし、愛猫が階段をふさいで追いかけっこしてきても、温かく見守ってあげたいですね。

お話を伺った先生/小野寺温先生(帝京科学大学講師 愛玩動物看護師)
参考/「ねこのきもち」2023年8月号『遊んでヨシ、くつろいでヨシ。 猫は、階段がお好き』
文/小崎華
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

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