町田・黒田剛監督は地域密着熱望も…G大阪戦後に住民苦情?「静かな生活が…」

町田GIONスタジアム 写真:Getty Images

黒田剛監督率いるFC町田ゼルビアは、今月24日開催の明治安田J1リーグ開幕節ガンバ大阪戦で1-1と引き分け。G大阪から町田へ期限付き移籍中の日本代表GK谷晃生による時間稼ぎ、遅延行為に注目が集まる中、G大阪サポーターから町田GIONスタジアムへのアクセスに関する戸惑いや疑問の声が挙がっているほか、地元住民とみられるSNSユーザーからの苦情も話題を呼んでいる。

東京都町田市野津田にある町田GIONスタジアムは、以前から「行きづらい場所にスタジアムがある」とファン・サポーターの間で話題に。クラブ史上初のJ1リーグ公式戦開催ということもあり、スタジアムにはおよそ13000人の観客が詰めかけたが、試合後には2時間以上バスを待つ人が続出。X(旧ツイッター)を通じて寒さを訴えるファン・サポーターも見られるなど、運営面での課題が明るみに出ている。

スタジアムへのアクセスを巡り議論が白熱する中、Xでは「地元住民」と名乗る人物が「町田ゼルビアがJ1に昇格したのは喜ばしいですが、試合日に慢性的な渋滞が発生して、静かな生活が脅かされています」と、試合開催による日常生活への支障を訴える事態に。

「一刻も早く、津久井道の片側2車線化工事、特に上麻生~金井入口交差点の間の2車線化を推進してください。あと横浜ブルーラインの新百合ヶ丘延伸と町田モノレール敷設も」と、交通網の整備を懇願すると、「本当に道路が狭い」「バスを増便しても渋滞で動かないしなあ…」といった声が挙がっている。

なお黒田監督は先日、ヴィッセル神戸OB那須大亮氏と対談した際、クラブと街・サポーターの関係について訊かれると、「正直2年目なので、町田の歴史がどういうものであるのかというのは、人から聞いたものでしか分からない部分もある」と前置きした上で以下のようなコメントを残していた。

「地域の人たちの思いが、このチームに全て乗っかっている。だからみんな注目しているし、今回のJ1へのチャレンジは誰もが待ち望んだこと。パレードを組んでくれた時のあの歓喜を見た時、やっぱりこの人たちのためにもっとやりたいと思ったし、もっと夢を見させたい、感動や勇気をもたらしたいと思った。そうやって街全体が一体化していく、色々なお客さんもいっぱい(スタジアムに)来ると思う」

「みんながウィンウィンで、町田という街が東京の中でも知らない人がいない、地方の人たちにも『東京に町田あり』と知ってもらえる。『ゼルビアを中心とした活性化している』『すごく良い街がそこにあるんだ』ということによって、町田がより一層生活していてもモチベーションが上がる。それによって街全体が華やかになっていく。そういう瞬間を迎えたいと思っているし、できるだけそういうことに尽力してきたいなと思っている」

黒田監督が地域住民に対する感謝や地域活性化への熱い想いを語った一方で、試合運営での課題を抱えている町田。行政を巻き込むなど、ピッチ外での問題解決が求められる。

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