知ってる?玉ねぎは切り方によって栄養が変わる!【栄養を捨てない下ごしらえ】

野菜を食べるためには、洗ったり皮をむいたり切ったり、ものによってはアク抜きが必要になります。これらの下ごしらえを一歩間違うと、その次点で栄養が大流出することに! ここでは、玉ねぎの下ごしらえのコツを見ていきましょう。切り方によって栄養成分が増えるというのは見逃せません。

★きのこの下ごしらえ★

涙が出る刺激のもとが血液サラサラの有効成分

玉ねぎを切ると目にしみる刺激で涙が出てきます。
これは玉ねぎに含硫化合物の一種「硫化アリル」が含まれているから。

含硫化合物は抗血栓作用が高く、血液をサラサラにする効果があるといわれています。
この含硫化合物を、増やす方法があるのです。

玉ねぎは頭からおしりにかけて縦に繊維が走っています。
その繊維を断ち切るように、繊維と垂直に切ると細胞が壊されて酵素が働き、新たな含硫化合物「アリシン」がつくられます。

ちなみに刺激をマイルドにしようと水にさらすと、硫化アリルも水溶性ビタミンも失われることに。

辛みが苦手な場合は、垂直に切った後しばらく放置すると、辛み成分が揮発し、ほかの栄養を守ることができます。

玉ねぎは繊維と垂直に切ると血液サラサラ成分が増える

【DATA】
旬:春〜秋
保存期間:2〜3ヵ月
主な栄養素:中1個(正味141g)ビタミンB1 0.04g、ビタミンC 1.1g、食物繊維 2.3g(生)

【注目成分】
・硫化アリル
血液が固まるのを遅らせ血栓を防いだり、動脈硬化を予防。免疫力を高めてがんの予防も。

・ケルセチン
玉ねぎの皮に多く含まれ、抗酸化作用の高いのが特徴。加熱しても損なわれにくい。

【選び方】
丸くて表面の皮が乾燥していてツヤがあり、重みのあるもの。かたくて芽が出ていないもの。

【保存法】
ネットに入れて風通しのよいところにつるす。新玉ねぎは冷蔵庫の野菜室へ。

POINT
・切った後水にさらすと、硫化アリルやビタミン類が流れ出てしまいます。

・玉ねぎを切ったときに出るにおいには神経をしずめる働きが。眠れないときは玉ねぎのみじん切りを枕元においてみましょう。

玉ねぎは切って放置でビタミンCが倍増する

玉ねぎを切ると増える栄養素は含硫化合物ばかりではありません。
ビタミンCも増えることがわかっていて、切ったまま常温で2日おくと、最大約2.1倍にアップします。

ほかに大根やじゃがいも、にんじんなども、切ってから1〜2日たったほうがビタミンCがアップ。

ビタミンCを効率よく摂取するには、調理の前日に切っておくといいでしょう。

※この記事は『調理 保存 食べ方で 栄養を捨てない食材のトリセツ』落合敏監修(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。


監修者
栄養学博士・管理栄養士 落合 敏

おちあい•とし●千葉県立衛生短期大学教授、茨城キリスト教大学食物健康科学科教授、天使大学大学院非常勤講師などを務める。食べ物の栄養効果についてのわかりやすい解説が人気。『食べるクスリ 甘酒ヨーグルト』(主婦の友社)ほか著書、監修書、多数。

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