「失望の成績でも森保監督が留任」“悪夢のアジア杯”後の日・韓・中の違いを韓国メディアが比較。自国には辛辣「途方もない混乱。嵐から抜け出せない」

先のアジアカップで、日本、韓国、中国の東アジア3国は不本意な成績に終わった。優勝候補だった日本と韓国はそれぞれベスト8と4強で敗退。中国は2分け1敗で1ゴールも挙げられず、決勝トーナメントにすら進めなかった。

大会後、韓国はユルゲン・クリンスマン監督を解任(後任は未定)。中国もアレクサンドル・ヤンコビッチ監督を更迭し、アジア杯でオマーンを率いていたブランコ・イバノビッチを後任に据えている。

そんななか、韓国メディア『Oh Mynews』は「アジアカップの後、日本は留任、中国は交代、韓国はカオス」と見見出しを打った記事を掲載。3国の現状を比較している。

「悪夢のアジアカップを経験した韓・中・日の東アジア3国が大会以後代表チームの再整備に突入した。 しかし方向性は違う。日本は失望した成績にもかかわらず、自国監督の再任を決定し、中国は外国人監督を入れ替えた。一方、韓国はクリンスマンを更迭したが、依然として議論が続いており、後任者の人選を巡ってまだ確実な方向を定めることができず漂流中だ」

森保ジャパンについては「通算5回目の優勝に失敗した日本は、選手たちの過度な『個人主義』が不振の原因と指摘された。スカッドの大部分がヨーロッパ組で構成された日本は圧倒的な戦力にもかかわらず、大会中選手たちがアジアカップに臨むひたむきさに欠けるという評価が出た」と指摘している。

「今大会に参加した日本の欧州組は皆、所属チームで見せるパフォーマンスを再現できなかった。メンバーの中で難しいときにチームを励まし、しっかりとまとめるリーダーシップを見せた選手もいなかった。森保一監督も欧州組が揃う選手たちをきちんと掌握できなかったという評価で、大会直後に更迭という世論が高まった」

同メディアは「しかし、日本サッカー協会は森保監督の再任を決定した。良くないという世論の中でも再任した理由はやはりカタール・ワールドカップで見せた成果のためと推定される。またアジアカップ直前まで、日本はAマッチで10連勝を飾っていた。森保監督は一応その地位を守ったが、アジアカップで大きく傷ついたリーダーシップと選手団の信頼をどのように復元するかが宿題として残った」と続けている。

一方、自国については、「韓国サッカー界はまだアジアカップの後の嵐から抜け出せない状態だ。クリンスマンへの更迭論があふれた中、選手内の分裂事態(イ・ガンインとソン・フンミンが衝突した卓球騒動)まで暴露され、途方もない混乱に包まれた」と嘆き節だ。

「ソン・フンミンとイ・ガンインの和解で選手同士、内部分裂を収拾している間、本来は仲裁と管理の役割を果たすべき韓国サッカー協会は何もしなかった。ここにクリンスマン解任による違約金問題、後任監督人選過程をめぐる方向性と手続き問題も依然として整理できない姿だ。中国と日本に比べて混乱した状況が長くなっている中で、サッカー協会が果たしてどんな代案を提示するか注目される」

【画像】衝突したソン・フンミンとイ・ガンインの和解2ショット
また、中国については、「海外組がほぼ不在で帰化選手も去り、戦力がさらに悪化した状態だ。体系的なコーチングシステムがなく、年齢別代表の競争力も低調だ。外国人監督が来ても、短期的に代表チームの戦力を急激に引き上げるのは難しいという見方で一致している」と評している。

来月には北中米ワールドカップのアジア2次予選が控えるなか、3か国は立て直しを図れるか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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