愛犬と上手にオモチャで遊ぼう

こんにちは。内田友賀です。

今日は「愛犬のおもちゃ遊び」のお話です。みなさんは、どのようにおもちゃを使っていますか?

愛犬に与えて、ひとり遊びをさせている人。愛犬と一緒に遊んでいる人。おもちゃ一つをとっても、実はたくさんの「日常コミュニケーションのコツ」が隠れているのです。

おもちゃを与えて「ひとり遊び」

おもちゃを愛犬に与える飼い主さんの場合、おもちゃで長時間遊んでくれる愛犬が多いと思います。稀に、自分でボールを投げて自分で持ってくる、など器用な遊び方をする犬もいるようですが、「破壊タイプ」か「ピーピー鳴らし続ける」タイプの子が多いのも、「ひとり遊び」の特徴です。

愛犬が楽しんでいるから仕方ないと思いつつ、飼い主さんとしては、破壊されてしまうことや、鳴り止まないおもちゃの音に、少なからず困っている人もいるのではないでしょうか。

この行動、実は楽しんでいるだけではなく、犬たちが何かに対して必要以上の「執着心」を持ってしまうことを強化している可能性があります。

オモチャを口の前のほうではなく、奥の方でしっかりくわえていたら「自分のもの!」という気持ちの表れかもしれません。取り上げようとしたら唸ったり、逃げたり、離さなかったりなど、一時的ではなく、いつもこのようなしぐさが見られたら、オモチャへの執着が根付いてしまっている場合もあります。

壊すまでやらないと気が済まない、ひたすら鳴らし続けることに固執するなど、本来ストレス解消だったはずの楽しい行動が、ミッションのようになり「やらないと気が済まない」という依存や執着になってしまうのです。そしてこれは、日常生活で他の物事や行動にも徐々に影響を与えていきます。

執着をリリースしてあげる方法

こんな時は、飼い主さんの声なんて聞けません。飼い主さんへの愛情より、おもちゃの方が勝ってしまっている状況ですので、まずは「飼い主さんが一番好き!」という、いつもの心理状態を保てるようにすることが大切です。

そこで、少しずつおもちゃ遊びのルールを決めていきましょう。

①おもちゃは飼い主さんのもの。「貸してあげる」という認識

与えたら、それは自分の気が済むまで好きにしていいものではなく「飼い主さんの合図で貸して、合図でやめる」という練習をしてみましょう。

最初はおやつを使っても良いと思います。まずは、「オシマイ」などの決めた言葉で愛犬からおもちゃを返してもらい、所定の場所にしまってください。

これを重ねることで、おもちゃへの独占欲を軽減し、執着を減らすことにつながります。

②一緒に遊ぶ

おもちゃは「飼い主さんと一緒に遊ぶ」ことに、最大の恩恵があります。おもちゃの種類によって「投げて持ってくる」「ひっぱる」「キャッチする」「考える」など、さまざまな要素があります。

オスワリ、フセ、マテ、モッテコイ、アウト(おもちゃを口から離す)、サーチ(探す)、などの色々なコマンドも、遊びながら実践ができます。愛犬も、遊ぶという目的があるので、いつも以上にコマンドの学習も早くなります。

そして、一緒に楽しめたという、何よりの成功体験をお互いが得ることができるのです。

つまり、「おもちゃは最高のコミュニケーションツール」だとなのです。

おもちゃ遊びの恩恵

コミュニケーションは「お互いの意思疎通」が叶って成立するものですので、愛犬は飼い主さんの意思を、そして飼い主さんは愛犬のサインをキャッチし、それに相応しいフィードバックをすることが大切です。

そのために飼い主さんは無意識に、全身から溢れて出てくる愛犬のサインをキャッチしています。

遊びの時間には、本当にたくさんの言葉を超えた心のキャッチボールが生まれているのです。

本来、犬は楽しいことや得なことが大好きな動物です。

だからこそ、飼い主さんと遊ぶ時間が何より楽しい!と気づいてくれることは、大きなチャンスになります。

まずは飼い主さんが何よりも愛犬と遊ぶ時間を楽しむこと。トレーニングのノウハウを実践する前に、その姿を見せてあげることから始めたいですね。

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