鹿沼の茂呂山で中継送水消防訓練 林野火災を想定 到着から11分で送水開始

山林火災を想定した訓練で、山道をつないだホースを使って放水する消防団員ら

 【鹿沼】市消防本部と市消防団は25日、茂呂の茂呂山で林野火災を想定した中継送水消防訓練を行った。火災発生時の部隊統制や中継送水技術の習得が目的で、消防隊員や北犬飼地区の消防団員ら約80人が参加した。

 まず駐車場に指揮本部を設置。隊員や団員は高さ約40メートルの山肌に設けられた出火地点に向け、送水車から手際良くホースやポンプをつないで延長約540メートルの送水路を作り上げ、目標に向かって放水を行った。出火地点の特定や鎮火の確認にはドローンも使われた。

 1月に上粕尾で発生した山林火災では約5万4700平方メートルが焼失。市の面積の7割を森林が占めており、被害の拡大防止は大きな課題となっている。

 訓練後、鹿沼消防署の石原幸二(いしはらこうじ)署長は「到着から11分で送水が開始でき、迅速な対応ができた」と講評。小太刀昭(こだちあきら)消防団長は「この訓練を火災の早期鎮圧と団員の安全な活動に結びつけたい」と述べた。

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