犬の心因性の病気やアレルギーが増えている原因を獣医師に聞いた

近年、犬の心因性の病気やトラブル、アレルギーの症例が増えているようです。その原因には、長いコロナ禍も関わっているのだとか。今回は、獣医師の重本仁先生に、犬の心因性の病気やトラブル、アレルギーが増えている理由についてお話を伺いました。

心因性の病気・トラブルが増えている理由

引用元:Petra Richli/gettyimages

コロナ禍の外出自粛期間に在宅勤務をしていた飼い主さんが再び出社するようになって、さみしさから分離不安(不安障害)になってしまう犬が増えています。

家具やカーペットをかじるなどの破壊行動のほか、自分の足やしっぽをかじる、長時間吠える、そそうをするなどの問題行動が見られるケースもあるようです。

コロナ禍が関係するほかの病気・トラブル

引用元:Max Bailen/gettyimages

コロナ禍が関係している病気やトラブルには、次のようなものもあります。

誤飲・誤食

家のなかにいる時間が増えると、つい気がゆるんで後片付けや掃除がおざなりになり、愛犬の誤飲や誤食を引き起こすことがあります。なかには、机の上の食べ残しやマスクなどを誤食されてしまったケースも。

ストレス性皮膚炎

コロナ禍で飼い主さんの在宅時間が増え、ひとりで過ごす時間が減ったことがストレスとなって、皮膚炎を引き起こすケースも増えているようです。脱毛のほか、激しいかゆみを伴う皮膚炎に至ることもあります。

アレルギーが増えている理由

引用元:Kryssia Campos/gettyimages

近年では、フードやおやつもさまざまな種類が増え、アレルギーに対する意識が高まっています。また、コロナ禍で自宅にいる時間が増え、愛犬の細かな異変に気づきやすくなったことも、アレルギーの症例が増えている一因のようです。

犬のアレルギーは皮膚や目に症状が出ることがあるほか、子犬がワクチンでアレルギーを起こすことも。さまざまアレルギーがあることを、飼い主さんが理解しておくことが大切です。

コロナ禍による大きな環境の変化は、犬にもさまざまな影響を与えているようです。愛犬にこれまでと違う様子があれば、動物病院で相談するようにしましょう。

お話を伺った先生/重本仁先生(王子ペットクリニック院長)
参考/「いぬのきもち」2023年12月号『しつけインストラクターと獣医師に聞きました! 意外な理由で増えてる イマドキの病気・ケガ』
文/江村若奈
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。

© 株式会社ベネッセコーポレーション