これは私が体験した母との間に起こったエピソードです。娘を思っての母の行動が、私にとっては心地よいものではなく……?
妊娠予定は?
私が旦那と入籍して1年ほど経ったころ、特別妊活は意識せずに生活をしていました。もちろん「いつかは子どもが欲しいな」といった気持ちはありますが、具体的にいつ頃までに……とは考えていなかったのです。
そんな考えで過ごしていた頃、ちょうど身近な人たちが妊娠ラッシュだったこともあり、母から「子どもはいつ頃考えているの?」と聞かれました。
世間話の1つくらいに軽く受け取った私は、適当に「欲しいとは思っているんだけど、なかなかね。」と伝えました。
心配した母の行動
私の「欲しいとは思っているんだけど、なかなかね。」という言葉を、重く捉えてしまった母は私の妊娠を深刻な問題として考え始めたようです。
あらゆる知人や親せきに「娘が不妊で悩んでいるんだけど、県内で評判のいい産婦人科を知らない?」と聞いてまわったそう。
母が心配のあまりとった行動だとは理解しているのですが、それを聞いて私はもやっとしてしまいました。いつかは子どもが欲しいなと思ってはいましたが、特に急いでいない、というだけで「娘が不妊で悩んでいる」と言いふらされては、たまったものではありません。
しかし、母の心配性すぎる性格はもともとわかっていたため、「誤解を招く言い方をしてしまったな。」と反省もしました。
母の行動がヒートアップ
しばらくして母は「お金はお母さんが出すから、不妊治療を受けよう。」と病院を予約した様子。母の心配する気持ちや、早く孫が見たいという気持ちもわからなくはなかったため、素直に親切心を受け取り通院を始めました。
多い時は週に何度も病院へ行ったり、服薬や注射をしたりと治療は楽なものではありません。いますぐに子どもが欲しいという気持ちになれていなかった私にとっては、禁煙や禁酒もつらいものでした。
しかし、これまでの治療費を負担してくれて心配している母に、通院を辞めたいとはなかなか言い出せずにいました。
結末
結局1年間通院しても子どもには恵まれず、ストレスが溜まる一方。ついに母に「治療がつらいから通院を辞めたい。」と打ち明けました。
母はそれ以上強要することはなく、「また治療を再開したいときには、遠慮せず頼ってね。」と言ってくれました。母が私のことを思ってしてくれたことだとは理解しています。ですが、それからしばらく経った今も、気乗りしない通院がトラウマになってしまったため、いまだに妊活する気持ちにはなれていません。いまは自分の好きなように過ごすことを優先に、ゆっくりと気持ちに向き合いながら、赤ちゃんを迎える心の準備ができたらと考えています。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Emi.A