あわや大惨事…大雪警報の日、横浜市営バスで事故相次ぐ チェーン装着が遅れた訳は?

県内全域に大雪警報が出され、雪が降り積もった車道=5日夜、横浜市保土ケ谷区

 県内全域を対象とした大雪警報が6年ぶりに出された5日、各地で積雪や路面凍結が原因とみられる自動車などのスリップ事故が相次いだ。地域別では保土ケ谷署管内が39件と最多で、過去最大規模の予防的通行止めにより大渋滞が発生し、タイヤへのチェーン装着が遅れるなどした影響で、横浜市営バスがガードレールに衝突したり、立ち往生したりする事態も起きた。市営バス保土ケ谷営業所の担当者は「今回のケースを教訓に、今後も都度判断しながら大雪に備えたい」と話している。

 5日午後5時半ごろ、横浜市保土ケ谷区藤塚町を走行中の市営バスが、路肩にたまっていた雪が障害となってタイヤが横滑りし、左側のガードレールに接触した。その3時間20分後には、サイドブレーキをかけて坂道に停車していた市営バスが前方に滑り始め、乗用車に追突した。どちらもけが人はいなかったが、一歩間違えれば大惨事となった可能性もある。

 市営バスでは通常、降雪時は路面や積雪状況などを踏まえ、順次営業所に戻ってタイヤにチェーンを装着するが、今回は高速道路や保土ケ谷バイパスなどが前例のない規模で予防的通行止めとなり、周辺の一般道が大渋滞となった。

 その結果、バスが保土ケ谷営業所に戻ることができなくなり、この日に運行していたバス約80台のうち、自力で営業所に戻ってチェーンを取りつけられたのは約50台だった。積雪で動けなくなったバスにはチェーンを積んだトラックを派遣するといった対応もとったが、そのトラックも渋滞に巻き込まれたという。

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