粘るヘイリー氏、党内に支持の声 「勝負あり」でも継続

24日、米サウスカロライナ州予備選の集会で支持者と記念撮影するヘイリー元国連大使=同州チャールストン(AP=共同)

 【ワシントン共同】米大統領選の共和党候補指名争いで、トランプ前大統領がサウスカロライナ州予備選も制した。地元で敗北したヘイリー元国連大使は、それでも撤退を否定。米国の政治学者たちは「既に勝負あり」と口をそろえるが、トランプ氏への根強い懸念を背景に、党の一部に論戦継続を支持する声があるとの見方を示す。

 ヘイリー氏は、なぜ戦い抜くことにこだわるのか。サウスカロライナ州にあるファーマン大のブレント・ネルセン教授は、民主党の指名候補に81歳のバイデン大統領が確実視される中、11月の本選で「勝てるのは自分だと有権者に理解させたい」との見方だ。ヘイリー氏は52歳と若い。

 トランプ氏が不規則な言動を繰り返す中、ヘイリー氏が「党の良心」を体現する形で「トランプ氏に責任ある発言をさせるため」に論戦を続けているとも指摘した。

 通常、敗色濃厚になれば資金が集まらず、撤退を余儀なくされるが「ヘイリー氏はそうなっていない」とネルセン氏は驚く。「大口の献金者たちも選挙戦を続けたいと考えている」と話した。

© 一般社団法人共同通信社