笑いで能登に恩返し 御供田さんチャリティー開始

コントを繰り広げる御供田さん(右から2人目)とビヨン酢さん(右)=JA小松市会館

  ●小松で踊りと歌を織り交ぜ

 「婆(ばあ)ちゃんコント」でおなじみの御供田幸子さんの能登半島地震復興支援チャリティーショー(北國新聞社後援)は25日、JA小松市会館で幕を開けた。御供田さん一座の11人が公演で世話になった能登への恩返しの思いを込め、にぎやかな笑いと優美な踊り、円熟の歌声を織り交ぜた舞台を繰り広げ、約200人を楽しませた。

 「おまさんら、よう来たね。行くとこ、なかったんかいね」。婆ちゃん姿の御供田さんが客席に語りかけるたび、笑いが沸き起こった。孫役のタレント、ビヨン酢さんとのコントでは、米大リーグの大谷翔平選手や人工知能(AI)などの時事ネタを、ユーモアたっぷりに盛り込んだ。

 御供田さんは歌謡曲「雪国」に合わせて舞を披露したほか、アンコールの「岸壁の母」を含めて6曲を歌い、ゆっくり客席を回りながらファンと触れ合った。「私は来年で80歳。歯は一本ずつ抜けていくし、何かあったら腰が抜けるし、抜けないのは疲れだけ」と観客を笑わせた。

 御供田さんと友人ら5人でつくる「野に咲く花の会」が公演を企画。メンバーが義援金箱を持って客席を回り、八田知子県議が謝辞を述べた。南加賀5市1町と金沢市で計11公演を予定しており、7月21日に北國新聞赤羽ホールで締めくくる。

 前売券なしの入場料千円と、義援金箱に寄せられた善意の全額を、地震の義援金として北國新聞社に寄託する。次回は3月13日午後1時半から、能美市寺井地区会館で開く。メンバーの亀井頼子さんは「心が温かくなるような笑いと希望を届けていきたい」と話した。

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