障害の壁なく交流 地域で一緒に遊べる場 茨城・古河でキッズフェス

カエルのおもちゃで遊ぶ子どもたち=古河市新久田

子どもたちが障害の有無にかかわらず遊べる場を提供する「キッズフェス」が、茨城県古河市新久田の古河福祉の森会館で初めて開かれた。親子連れを中心に約530人が参加し、おもちゃやプラネタリウム上映、デジタルアートなどを楽しみながら交流を深めた。

重症児デイサービスなどを運営する一般社団法人「Burano(ブラーノ)」が主催し、18日に実施された。東京おもちゃ美術館(東京都)やつくばエキスポセンター(茨城県つくば市)、総和おもしろ科学の会(古河市)など約10のブースが出展。市内外の小学生や未就学児が集まり、車いす姿も多く見られた。会場には看護師が待機し、点滴やおむつ交換が行える「医療ケアスペース」も設けられた。

子どもたちはさまざまな遊びに挑戦しつつ、前もって受け取った台紙に貼り付ける目や口などのパーツを集めた。自分だけの「生き物」を完成させるため、お互いにパーツを交換するなど交流した。

いずれも古河市の小学3年で中村優斗君(9)は「いろいな体験ができて良かった」、鈴木翔平君(9)は「(周囲に)やろうって言ってパーツを交換した。楽しかった」と話した。

会場では「困っているお友達いないかな?」と題したパンフレットが配られた。呼吸器やたんの吸引器、補聴器などをイラスト付きで紹介し、器具の助けが必要な人への理解を求めた。

同法人の秋山政明理事(39)は「重度の障害がある子どもと健常の子どもが、地域で一緒に遊べるような催しがない」と指摘。「子ども同士がつながらずに大人になってしまうと、接し方が分からず壁ができてしまう。それを変えないといけない」と語り、今後も催しを開きたいとの考えを示した。

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