子どもへのスポーツ指導、「怒り」って必要? 元バレー代表、益子直美さんが悩まされた激しい叱責

ジュニアスポーツ指導のあり方について講演する益子さん=2月24日、福井県越前市生涯学習センター

 福井県越前市スポーツ協会の本年度スポーツ講演会が2月24日、同市生涯学習センターで開かれ、元バレーボール日本代表で「監督が怒ってはいけない大会」を主催する益子直美さんが登壇した。ジュニアスポーツの指導における「怒り」との付き合い方を易しく説いた。

 「怒ってはいけない大会」は子どもが伸び伸びプレーすることに主眼を置き、監督やコーチが怒ることを禁止する大会。全国各地の小学生バレーボールチームで2015年から開催している。

 益子さんは、激しい叱責(しっせき)に悩まされた自身の現役時代を「怒られないよう、ミスを恐れてばかりだった」と振り返り、チャレンジ精神や自ら考える力を育む指導のあり方を模索してきた。

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 大会に参加する監督の多くは自らの高圧的な態度に無自覚だったり、「勝つためには怒りが必要」と思い込んでいるという。選手のマナー違反や悪態を怒ることは必要とした上で、ミスや結果はチャレンジと認める「線引き」が重要とし、「スポーツの楽しさ、豊かさを忘れさせないことこそが大人の役割」と強調した。

 講演会には市内のスポーツ指導者や保護者ら約150人が参加し、熱心に耳を傾けていた。

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