建築家・安藤忠雄氏/坂の上の雲ミュージアム(松山市)に図書室寄贈、4月着工へ

建築家の安藤忠雄氏が、松山市にある坂の上の雲ミュージアムの前庭に「こども本の森」図書室(仮称)を建設し同市に寄贈する。規模はRC造2階建て延べ約130平方メートル(1階部分は支柱のみ)を予定し、蔵書は4000~5000冊を見込む。本の貸し出しは行わず滞在して本を楽しんでもらう。収容人数は50人程度。入室は無料。4月に建築工事に着手し、2025年4月の完成、同夏ころのオープンを目指す。
安藤氏が設計を手掛けた同ミュージアムはSRC造地下1階地上4階建て延べ3122平方メートルの規模で、竹中工務店が施工し06年11月に竣工した。所在地は一番町3の20。
図書室の建築コンセプトによると、外装はミュージアムのデザインコードを踏襲し、上広がりに傾斜するガラス壁を採用。外形はミュージアムの三角形に対し図書室は楕円(だえん)型となる。ミュージアム2階とブリッジで接続する。
建物の設計、許認可手続き、建築に伴う費用は安藤忠雄建築研究所が支出する。建物は「子どもたちが本に親しむことで過去を学び、現在を考え、未来を切り開く豊かな感性と創造力を育む」施設の設置を条件に市が寄付を受ける。図書室の運営、管理はミュージアムと一体で市の指定管理者が担当する。
市は、24年度当初予算案にこども本の森開設準備事業費3079万1000円を計上した。図書や備品の購入などに充てる。

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