愛知県/本庁舎(名古屋市中区)長寿命化に着手、24年度から基本設計

愛知県は、本庁舎(名古屋市中区三の丸3の1の2)の長寿命化改修に着手する。2024年度当初予算案に、新規事業として基本設計費1億0527万円を計上した。長寿命化のための大規模な改修は完成以来初めて。国の重要文化財である点に考慮しながら進める。順調に進んだ場合、31年までの完了を目指す。
本庁舎の完成は1938年3月。規模はSRC造地下1階地上6階建て塔屋付き延べ2万8314平方メートル。高さは約40メートル。老朽化が目立つため改修し長寿命化を図る。18年度に日建設計が実施した基本調査を踏まえ、24年度は改修箇所や改修内容を検討し基本設計を進める。
安全性を早期に確保するため、屋根の改修は先行して着手した。22年10月から銅板屋根のふき替え工事を進めている。設計は文化財建造物保存技術協会、施工は戸田建設・榊原建設JVが担当している。
本庁舎建設の基本設計は建築家の西村好時(1886~1961年)と渡辺仁(1887~1973年)が行った。実施設計は両氏の案を基に県建築部営繕課が担当。戸田組(現戸田建設)が施工した。城郭風屋根を乗せた帝冠様式や外壁の磁器タイルなど特徴的な景観を持つ。2014年に意匠や歴史的価値から国の重文に指定された。

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