男性の育休取得3ヵ月未満が8割 残業代がなくなる、キャリアにも支障が…

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜6:59~)。「FLAG NEWS」のコーナーでは、“男性の育休取得”について取り上げました。

◆男性の育休取得、3ヵ月未満が約8割

共同通信が主要113社を対象に行ったアンケート調査では、過去1年間に男性社員が取得した子ども一人あたりの育休の平均期間が3ヵ月未満だった企業が87%。一方、女性は6ヵ月以上が86%で男女の取得期間に大きな差がありました。男性の育休取得率は113社中50社が8割以上と浸透してきていることが伺えますが、期間を見ると依然として女性が育児の中心的役割を担うという意識が根強いといえそうです。

◆男性がより育児に入るにはどうすべき?

この報道に、経済ジャーナリストの荻原博子さんは「国は(育休を)取るよう促し、会社も制度として取らないといけないとしているが、この人手不足のなかで3ヵ月もの休みを取れば暗黙の了解で(出世から)弾かれていくのが怖いという人は多い」と要因を推察。その上で、「そこを解決しない限り、男性が育児に入っていくのは難しい」とも。

キャスターの豊崎由里絵は、男性の育休に関しては2つ思っていることがあるとし、ひとつは「今の日本で取るべきなのか」ということ。「絶対に取ったほうがいいみたいな風潮があるが、育休を取れば収入は減る。(給料の)10割貰えたとしても残業代に頼って生活している家庭もあるので、残業代がなくなるようであれば、自分の母を呼んだほうがいいという家庭もあると思う」と苦しい日本の家庭の現状を語ります。

もうひとつは「キャリアの問題」。荻原さんも指摘していたように、男性に限らず女性も育休とはいえ長期の休みを取ればキャリアに支障が出るのは明らか。これはどうにかならないものなのか、豊崎は以前、当番組のコメンテーターとして出演した「NO YOUTH NO JAPAN」代表理事の能條桃子さんに相談したといいます。すると、能條さん曰く、海外では女性が育休後、職場に復帰した段階で自動的に昇給する制度を設けている国があるそうで、豊崎はその話にとても感心したそうです。

NPO法人「あなたのいばしょ」理事長の大空幸星さんは、「所得のカバー率とその期間から、日本の育休制度は世界で最も優れていると言われている。にも関わらず(育休の)取得率が低いというのは制度に問題があるのではなく、文化に問題がある」と主張。

さらに大空さんは、「この文化を変えていくのは、今の30代~40代前半のまさに現役の子育て世代で意識が高い人たち。彼らが新しい文化を作っていくことだと思う」と話していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 6:59~8:30 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組X(旧Twitter):@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

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