輪島塗職人たちの作品展 名古屋栄三越で600点を展示販売

職人9人、工房・漆器店10社による計600点を展示販売している

 名古屋市中区の名古屋栄三越の8階で、「輪島塗職人たちの作品展」が開かれている。27日まで。能登半島地震で被災した職人たちの「作品を通じてお客さまに頑張っていますと伝えたい」「伝統文化を絶やしてはいけない」などの思いから同作品展を企画。職人9人、工房・漆器店10社による計600点を展示販売している。

 輪島塗は、加飾の優美さなどが特徴で、約千年の歴史を持つとされる。日本を代表する漆器として高く評価されている。

 イベントのテーマは「輪島の未来のために」。職人たちの思いと、ものづくりの伝統を継承する職人たちの次の一歩を応援したい百貨店側の思いが重なり実現した。置物から酒器、おわん、箸などを用意した。会期中は、店頭で職人による商品説明などが行われている。

 今回のプロジェクトの代表を務める漆芸家の古込和孝氏は「心配してくださる全国の方々に、僕らは頑張ってやっていますよと伝えたい」と話す。百貨店の担当者は「職人の方々が永続的な活動ができるよう、作品展の開催を今後も検討している」としている。

 イベントの売り上げについては、必要経費を除いた全額を今回参加した職人に利益として還元するという。

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