岩手にも広がるトーキョーコーヒー 自分らしく学ぶ場に

「悩みを話せば楽になる人が多いと思う」と語る高橋ゆかりさん(左から2人目)=花巻市上根子

 「トーキョーコーヒー」で新たな学びを―。喫茶店のような名称は「登校拒否」の文字を入れ替えた造語で、不登校の児童生徒やその保護者らが集う場所。奈良県で始まった活動は全国に広がり、岩手県でも花巻、奥州、久慈に拠点が開設されている。雑貨作りや農作業体験などメニューはさまざま。「自分らしく居られる場所」で大人も子どもも楽しく過ごし、自信と意欲を高めていく。

 昨年末に県内3カ所目となる拠点を自宅に開いた花巻市上根子のネイリスト高橋ゆかりさん(37)。企画したリース作りの体験会には、小学4年から60代までの9人が参加し、布の端切れを縫って飾り付けたり、テレビゲームをしたりして思い思いに楽しんだ。

 まずは大人が安心できる仲間と活動することが狙い。子育てや教育を話し合える場になり、盛岡市三ツ割の自営業菅原祐さん(39)は「一時不登校となった長男の思いを理解できず、つらいこともあった。悩みを吐き出せる場はありがたい」と受け止めた。

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