レノボ、透明microLEDディスプレイの試作ノートPCをお披露目

Image:Lenovo

レノボは、世界初をうたう透明なディスプレイを持つノートPC「ThinkBook Transparent Display Laptop Concept」をスペイン・バルセロナで開催されるMobile World Congress(MWC)で発表した。

SF映画などではたまに透明なディスプレイを持つデバイスが登場するが、この製品はそれを現実の世界に実現するものだ。ディスプレイ部は17.3型で、microLEDを2枚のゴリラガラスでサンドイッチにし、透明な接着剤で固定しているという。

透明ディスプレイに映るWindows 11の画面は、解像度こそ720pだが、肉眼では非常にシャープで色彩豊かに見えるという。

このコンセプトモデルは、キーボードもガラス板でできており、タイピング時にはキーが浮かび上がるように表示される。トラックパッドとしても機能し、スタイラスペンも利用できる。それらを使えば、従来のノートPCとほぼ同じように使用できるとのことだ。

透明ディスプレイのノートPCに需要があるのかはわからないが、レノボの幹部は、この透明ディスプレイノートPCが人と人のコラボレーションをよりスムーズにするのを助けると述べている。たとえば、対面でプレゼンをする際にもテーブルに置いたノートPCをくるりと回して相手に見せるのではなく、互いに画面を見て話すことができるだろう。

またこのノートPCは背面にカメラがあり、背後にある物体をとらえてAIで分析することもできるという。たとえば、そこに花があるとすれば、透明ディスプレイに蝶を表示させ、その花にとまる様子を表示することもできるのだそうだ。

実際に使うとなると、四六時中、対面の人に作業内容が丸見えになるのは困るだろうし、解像度も物足りない。さらにガラス板のキーボードは、タッチタイピングも難しい。

レノボはこうした不満が出るであろうポイントへの対策技術の開発に取り組んでいる。たとえばディスプレイには、背面から見えなくするための不透明なレイヤーを表示するシステムを用意することを考えており、また解像度についても、透明性を維持しつつ2~3K程度までは引き上げられる可能性があるとしている。

さらにキーボードは、表示されたキーの位置にユーザーが正確にタイピングするのを前提とせず、ユーザーが入力しようとしたキーに対する多少のタッチ位置のずれをAIが補正して、十分正しいタイピングとして入力可能とするシステムを研究しているとのことだ。

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