決済アプリの人気上昇でも現金利用は続く=スイス中銀副総裁

[チューリッヒ 23日 ロイター] - スイス国立銀行(中央銀行)のシュレーゲル副総裁は23日のイベントで、スイスでは決済アプリの人気が高まっているが、だからといって現金が使われなくなることはないと中銀は考えていると述べた。

シュレーゲル氏は「われわれの考えでは現金が消滅することはあり得ず、予測可能な将来にそうした事態が発生することはない。現金は国民の大部分にとって欠かせない」と語った。

シュレーゲル氏によると、近年現金の利用が大幅に減っているスウェーデンなどの国でも、現金は落ち込みが一定の水準に達した後で利用が継続している。スイスも長期的に現金の利用が落ち込む見通しだが、下げ止まる水準を特定するのは難しいという。

一方でシュレーゲル氏は、銀行の支店と現金自動預け払い機(ATM)の減少に伴って現金の利用が減る悪循環に警戒感も示した。ただ、現時点では金融政策が現金の利用減少による影響を受けることはないと付け加えた。

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