広島・福山城で櫓や門構成する石垣発見 全容解明のきっかけに

江戸時代初期に築城された福山城(広島・福山市)で、櫓や門を構成する石垣が新たに見つかりました。

福山城二之丸西側の神辺二番櫓跡から新たな石垣が見つかりました。ここは、1873年の「廃城令」で民間に払い下げられ、畑や宅地になった場所です。

発見された石垣は神辺二番櫓の北側で、東西に3.9メートル、高さは最大2.2メートル確認できました。

さらに「算木積み」と呼ばれる、江戸初期に築かれた城によく見られる工法が確認できたといいます。石材を長・短交互に積み上げる手法で、硬い地盤を階段状に掘削し、そこへ添わせるように組まれています。

福山市 文化振興課 唐津彰治 学芸員
「(神辺二番櫓は)地山が、もとの地形が東に向かって高く上がっていく形になっておりまして、その地形に合わせる形で石垣を階段状に積んでいくという工法が分かりました」

こちらは本丸です。二之丸と本丸をつなぎ、防備や登城門の役割を果たしていたとされる御台所門の東側にも石垣が見つかりました。

この門は、1893年に神社設置に伴って石垣の抜き取りなどがあり、姿を消していました。写真も残っておらず、いまでは絵図でしか確認できない場所です。今回、地表面に接していた石垣が確認できたことで、今後、門の全容が明らかになっていくきっかけとなりそうです。

福山市は近く、市のホームページで見つかった石垣をVRで閲覧できるようにするということです。

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