「2024年春闘」の回答結果に注目 ~“マイナス金利解除”の重要な判断材料【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフリサーチストラテジスト】

(※写真はイメージです/PIXTA)

※本稿は、チーフリサーチストラテジスト・石井康之氏(三井住友DSアセットマネジメント株式会社)による寄稿です。

24年3月の注目イベント

■日本では、春季労使交渉(春闘)の1回目の集中回答結果が3月15日に公表されます。自動車や電機大手などの労働組合が、2024年の春闘で軒並み高水準の賃上げを要求しているなか、実質賃金のプラス転換に向け、物価を上回る大幅な賃上げが実現するかが焦点です。2024年春闘は、日銀がマイナス金利政策を解除する条件である賃上げと物価上昇の好循環の重要な判断材料です。2024年春闘が前年の賃上げ率を上回る結果となれば、日銀のマイナス金利解除の判断を後押しするとみられます。

■米国では、米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、1月末のFOMC後の記者会見で、金融引き締めの修正を急がない考えを示しました。政策金利は据え置きが見込まれるなか、量的引き締め(QT)の資産圧縮ペースの減速が焦点になります。

■中国では、全国人民代表大会(全人代)が開かれます。不動産市場の低迷などを背景に、景気の先行き不透明感が強まるなか、中国政府の経済政策の前提となる成長率の目標がどのような水準に設定されるのかが注目されます。

【図表】各国・地域の経済指標、金融政策決定会合等イベントの予定(2024年3月)

(2024年2月26日)

石井 康之

三井住友DSアセットマネジメント株式会社

チーフリサーチストラテジスト

※上記の見通しは当資料作成時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。今後、予告なく変更する場合があります。

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