キヤノンアスリートクラブ九州 収穫の多い今シーズンを振り返る 【大分県】

駅伝やマラソンなど長距離を中心とした女子陸上競技のキヤノンアスリートクラブ九州が、実りあるシーズンを終えようとしている。2009年4月に大分県を拠点に創部し、日本を代表する長距離ランナーの輩出を目指し、活動を続けている。後藤透監督は「それぞれが目標を持って、自分と向き合って練習できている」と話す。

今季(23年4月〜24年3月)は選手10人でスタート。それぞれが自己記録更新を目指し、チームとしては全日本実業団対抗女子駅伝(全日本駅伝)に出場することを目標に掲げた。夏場の合宿で走り込み、9月の大会で調整し、大一番となった10月の全日本駅伝予選会で11位となり予選突破した。2年ぶり2回目の出場となった11月の全日本駅伝では25位中24位だった。今季から加入した市原梨花は「結果は納得できなかったけど、全国レベルを肌で感じることができたし、上を目指せると思えた」と収穫を口にした。

声援が選手を後押しする

伸び盛りの水谷陽菜も手応えを感じていた。「憧れの選手と一緒に走れたうれしさはあったが、やるからには日本トップレベルを目指したいと思えるようになった」という。日本一を決める全日本駅伝に出場したことは、来季以降の選手のモチベーションにつながった。後藤監督は「出場することが目標でなく、結果を残したいとそれぞれが意識するようになったことで、練習の質が上がっている」と語る。

来季は全日本駅伝予選会の予選突破を最低限のノルマとし、故障しない体づくりとともに走り込みの量を増やしている。市原は「大分県出身の選手として地元の方に応援される走りをしたい。期待を結果で返したい」。水谷は「昨年の全日本駅伝予選会は800人の応援があり、大きな力をもらった。昨年は先輩方と応援によって全日本駅伝に出させてもらったが、今年は自分の走りでチームを引っ張っていける存在になりたい」と明確な目標を掲げた。

全日本駅伝でアンカーを務めた水谷陽菜

(柚野真也)

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