活動休止や破局が相次ぐ「カップルチャンネル」は、なぜ継続することが難しいのか

カップルYouTuber・なこなこチャンネルがYouTubeでの活動を休止することを発表。理由が明かされていないことから、ふたりの活動休止が大きな話題となっている。今回は、なこなこチャンネルをはじめとしたカップルYouTuberの活動休止事例から、カップルチャンネルの継続の難しさをあらためて考えてみたい。

なこなこチャンネルは、こーくんとなごみによるカップルチャンネル。カップルYouTuberのトップランナーであるふたりは、動画でみせる仲むつまじい姿がたびたび話題となっており、チャンネル登録者数は149万人を突破(2024年2月21日時点)。ふたりでアパレルブランドを手がけるほか、なごみはビューティーブランドもプロデュースするなど、幅広く活動している。

そんな公私ともに順調に見えるなこなこチャンネルが2024年2月17日、YouTubeのコミュニティを更新。「しばらくの間2人のYouTube活動をお休みさせて頂くことになりました」と活動休止を発表すると、すぐさま話題となったのだ。投稿では理由と活動再開時期については触れず、動画の投稿を待つファンへの謝罪とともに、「今後については改めてご報告させてもらいます」と記載。理由がわからないだけに、ファンからは破局などさまざまな憶測が飛び交っており、心配の声があがっている。

今年で交際7年目を迎えたふたりは、イベントにも引っ張りだこでいつも一緒。2021年12月には、仕事優先の生活や一定になってしまったふたりの関係性を理由に、交際4年の記念日に破局の危機に瀕していたことを告白。その後、3週間ほど活動休止期間を設けたこともあった。当時の活動再開時には、こーくんが「2人の時間、2人の関係性を大切にしつつ動画も頑張っていけたら」と述べていたこともあってか、今回の活動休止にも「ふたりの時間を大切に」という温かいコメントが多く寄せられている。

これまでのYouTubeを振り返ると、今回のなこなこを含め、ほとんどのカップルYouTuberが活動休止を経験してきた。元祖カップルYouTuberともいえるM君とふくれなの「えむれなチャンネル」は、活動休止後に破局、そのままチャンネルが終了。一方で、こうといちえによる「夜のひと笑い」は活動休止後に破局したものの、ふたりでの活動は継続。おたと浦西ひかるの「おたひかチャンネル」は破局発覚後に活動を休止したが、ビジネスカップルとして不定期ではあるものの現在も活動中だ。一言でカップルYouTuberといってもその活動方針はケースバイケース。カップルチャンネルの変遷はほかのジャンルに比べ凄まじいものがある。

実際に交際している、していないに関係なく、カップルチャンネルはイチャイチャやヤキモチ、すれ違いなどの胸キュンコンテンツが人気。しかしカップルYouTuberが活動を継続するうえで壁となるのは、なこなこも経験した“ふたりの関係性の変化”にあることは違いない。この点においては夜のひと笑いが破局報告時に、恋人よりも“家族”に近い関係性になってきたことや、「くすっと笑ってもらえるような動画をいちえとつくって、色んな人を笑顔にしたいっていう気持ちが大きくなってきた」と説明しており、仕事もプライベートもともにすることで、家族や親友、ビジネスパートナーという関係になっていくことが読み取れる。

カップルYouTuberたちがプライベートと仕事を通し、お互いをさまざまな意味で“良きパートナー”として見ていることは素敵なこと。しかしこれまでの事例をみる限り、カップルチャンネル継続における最大の難しさは、本人たちを含め誰も予想できない心境の変化からくる関係性にあるといえるだろう。

(せきぐちゆみ)

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