どうなる盛岡市の給食無償化 内舘茂市長公約「完全」も未実施

 

 盛岡市の内舘茂市長が公約に掲げた学校給食無償化の行方が注目されている。1期目の任期中に「課題を整理して見通しを立てたい」と説明するが、新庁舎建設など大型投資を控え、年間11億円に上る財源の確保は「容易でない」(市幹部)。さらに、3千人超の中学生が弁当持参かランチボックスかを選ぶ選択制を続け「完全給食」すら実現できてはいない。中核市では青森市が先行して取り組み、青森県は全国初の一律無償化方針を固めた。目玉公約は実現できるのか。

 「無償化について課題を整理し、より充実した学校給食の実現に向けて着実に取り組む」。内舘市長は22日の市議会3月定例会の所信表明で決意を示した。

 ただ具体化への道筋は現時点で示されていない。これまでの市議会では、財源確保に関し「全体の予算編成の中で施策の優先順位などを勘案し、今後判断したい」とし、実施時期も明言していない。29日の代表質問を皮切りに、議論が深まるか注目される。

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