名門スプーンがスーパー耐久復帰を発表。山田英二とピストン西沢、HFDPの若手がFL5シビック・タイプRを駆る

 2月26日、ホンダ車専門アフターパーツメーカーのスプーンは『TEAM SPOON』としてENEOSスーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONEにFL5型ホンダ・シビック・タイプRで参戦することを発表した。ドライバーにはベテランから若手を揃え、混戦極めるST-2クラスを戦う。

 クルマ好きなら一度はその名を聞いたことがあるであろうスプーン。同社は市嶋樹氏が1988年に創業して以来、ホンダ車によるレース活動とロードカー用チューニングパーツの開発や製造、販売を手掛けてきた。

 これまでさまざまなホンダ車用チューニングパーツを世に送り出し、国内外のホンダファンに『スプーン流のクルマの楽しみ方』を提案してきたスプーンは、モータースポーツの世界でも活躍する。

 国内では1992年にN1耐久シリーズへの参戦を開始すると、ブルーとイエローのカラーリングに彩られたシビックやインテグラ、S2000でスーパー耐久シリーズの勝利やチャンピオンを獲得する名門チームとして名を馳せてきた。

 海外レースでは、1990年にNSXの北米モデルをレース車両に仕立てマカオGPに出場すると、その後イギリスのスネッタートン24時間やシルバーストン24時間、ドイツのニュルブルクリンク24時間、アメリカのサンダーヒル25時間といった耐久レースに参戦。クラス優勝を飾る活躍をみせブランドを確立し、世界中にファンを増やした。

2016年のスーパー耐久に参戦した95号車SPOONリジカラS2000
2021年サンダーヒル25時間でクラス優勝を喜ぶ中島保典/松井猛敏/山田英二/市嶋樹/吉原大二郎/キャメロン・パーソンズ/アーロン・ワン

 そんなスプーンは、国内レースでは2016年のSPOONリジカラS2000によるスーパー耐久参戦を最後に一時活動を休止していたが、2024年シーズンに『TEAM SPOON』としてひさびさのシリーズ復帰を発表。FL5型シビック・タイプRで排気量2.4L〜3.5Lの前輪駆動車が争うST-2クラスにエントリーを行う。

 ドライバーには、2023年のサンダーヒル25時間レースに同チームから北米仕様シビック・タイプRで参戦した“ラーマン山田”こと山田英二と、走るラジオDJとして知られるピストン西沢という2名のベテランをレギュラーに起用する。

 また、ホンダの育成プログラムであるホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)と連携し、育成ドライバーの小出峻と三井優介を交互にBドライバーに起用していく。なお、シリーズ最長の富士24時間レースには、経験豊富な松井猛敏と中島保典を加えた6名体制になるとのことだ。

 スプーン代表取締役でTEAM SPOONの代表を務める甲斐琢也氏は「今日に至る7年もの間、日本国内でのレース活動を休止してきましたが、その間、日本でレース活動を行うTEAM SPOONの姿を待ち望む数多くの声を、国内外のファンの皆さまから頂戴してきました」とスーパー耐久復帰について語った。

「サーキットに、トラックサイドに、スプーンがスプーンたる源泉がある。それはスプーンの創業者であり前代表の市嶋から現在の代表である私にまで、そしてスプーンのすべてのスタッフに共通する思想であり変わることはありません」

「本日、スーパー耐久シリーズへの参戦を発表し、ふたたび日本のサーキットへ戻ってくることができたこと、スタッフ一同、心より喜んでおります。7年間のブランクは消して軽いものではありませんが、TEAM SPOONを応援くださっている皆さまのご期待に応えることができるようスタッフ一同、全力を尽くしてまいります」

「また、スーパー耐久への再参戦、日本でのレース活動を通じて、ホンダを、シビックをより皆さまに楽しんでいただけること、日本のレースシーンをより一層盛り上げる一助となることができればと考えています」

「さらに、今回、ホンダ・レーシング様にご協力をいただき、若く頼もしいドライバーの方々をご紹介いただきました。彼らの若く優秀なタレントに刺激を受け、TEAM SPOONは彼らに負けぬ進化と成長を目指していきたいと考えています。応援よろしくお願いいたします」

 サンダーヒル25時間をFL5型シビック・タイプRで戦い、その経験を基にスーパー耐久のチャンピオン獲得を目指すというスプーン。公式サイトに掲載された各ドライバーのコメント、参戦体制については以下のとおりだ。

TEAM SPOON 2024年スーパー耐久参戦体制

チーム名:TEAM SPOON
参戦車両:ホンダ・シビック・タイプR(FL5)
参戦車両名称:SPOON CIVIC TYPE R
カーナンバー:95
参戦クラス:ST-2
チーム代表:甲斐琢也
チーム監督:原剛
ドライバー
Aドライバー:山田英二
Bドライバー:小出峻(HFDP)、三井優介(HFDP)
Cドライバー:ピストン西沢
富士24時間:松井猛敏
富士24時間:中島保典
※Bドライバーはローテーションで起用、富士24時間は両名が参戦
レース運営:スプーンスタッフ

Aドライバー:山田英二

「2021年に初めてTEAM SPOONのドライバーとして参加したアメリカ サンダーヒル25時間耐久レースで勝つことができました。昨年2023年は同じサンダーヒル25時間耐久レースに土屋さんと参加することができました。そして今年のスーパー耐久レースにピストン西沢さん、小出くん、三井くんと組んで出場できることは本当に嬉しく思います」

「ピスちゃんは同じ歳で仲が良く、小出くんと三井くんは、スーパーGTやスーパーフォーミュラでトップを走ることの可能性ある若手ドライバー。先輩ドライバーとして彼らから学ぶことができると思っています! ピスちゃんから学ぶことはないかな(笑)。このような最高のメンバーで参加させていただけることに、TEAM SPOONに心から感謝しています。ラーマンらしくないコメントですみません(笑)」

TEAM SPOONからスーパー耐久に参戦する山田英二

Bドライバー:小出峻

「この度、TEAM SPOONよりレース参戦させていただくにあたって非常に嬉しく思っています。ホンダ様とスプーン様が黎明期より協力してモータースポーツ業界を発展させてきたことは幼少の頃から知っていましたので、その一員として恥じぬようまた貢献できるよう頑張りたいと思います」

TEAM SPOONからスーパー耐久に参戦する小出峻

Bドライバー:三井優介

「今季からTEAM SPOONでシビック・タイプRをドライブさせていただく三井優介です。小さい頃から憧れていたスプーンが日本のサーキットに戻ってくること、そのチャレンジにドライバーとして参加できること大変嬉しく思います。チーム一丸となって頑張りますので、全国各地ぜひ応援に来てください!」

TEAM SPOONからスーパー耐久に参戦する三井優介

Cドライバー:ピストン西沢

「スーパー耐久や箱車のレースで栄光に輝くスプーンのクルマで、ひさびさにレースに出られることになって光栄です。青と黄色の稲妻がサーキットを駆け抜けるところ、ぜひ皆さんお楽しみに! レースの体制もスプーンがすべて自社で整備、運営しています。TEAM SPOONならではの戦闘力で勝利を狙っていきます」

TEAM SPOONからスーパー耐久に参戦するピストン西沢

富士24時間ドライバー:松井猛敏

「今回TEAM SPOONから誘っていただいてとても嬉しいです! S2000活動終了からの参戦で今からとてもワクワクしています。富士24時間はチャンピオンシップを考えると、とても大事なレースなのでチームに貢献できるようしっかり自分の役割を果たしたいと思っています。スプーンファンの皆さん、2024シーズン戻ってきた黄色と青の95号車に熱い応援よろしくお願いします!」

TEAM SPOONからスーパー耐久に参戦する松井猛敏

富士24時間ドライバー:中島保典

「スーパー耐久レースは3年ぶりの参戦になります。少しブランクはありますが、壊さずぶつけず気を抜かずしっかり次に繋げる走りをしたいと思います。先ずは体力をしっかりつけて挑みたいと思います。よろしくお願いいたします」

TEAM SPOONからスーパー耐久に参戦する中島保典

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