【あおり運転】静岡市一家死傷…やり直し裁判控訴審で控訴退けられた被告「俺が出るまで待っとけよ」と叫ぶ

7年前、東名高速であおり運転をした末、静岡市清水区の一家4人を死傷させた男のやり直し裁判の控訴審で、東京高裁は、男側の控訴を退け1審の懲役18年を支持しました。

この事件は7年前の2017年。静岡市清水区に住む家族4人が乗る車が、神奈川県の東名高速であおり運転にあった末、追い越し車線で停車していたところ、後ろから来たトラックに追突され夫婦が死亡したものです。

この事故で、あおり運転の末、夫婦を死亡させた危険運転致死傷などの罪に問われているの被告の男。裁判をめぐっては、2018年、一審の横浜地裁が危険運転致死傷罪の成立を認め、男に懲役18年の実刑判決を言い渡しました。

この一審の判決の際、横浜地裁は公判前に争点や証拠の整理をする公判前整理手続きで、裁判所が「危険運転致死傷罪の成立は認められない」との見解を示していたにもかかわらず、判決で一転して、危険運転致死傷罪の成立を認めました。

その後、2019年の控訴審で、東京高裁はこの公判前整理手続きの経緯について「判決に影響を及ぼす違法な手続きだった」と指摘。一審の判決を破棄し、裁判のやり直しを命じたのです。

そして2022年、“異例”のやり直し裁判が開かれ、横浜地裁は男に4年前と同じ懲役18年の実刑判決を言い渡しました。しかし、男はこの判決を不服として控訴したのです。

その控訴審の判決で、東京高裁は26日「1審の判断が不合理とはいえない」などとして控訴を退け、懲役18年とした一審判決を支持しました。

言い渡しのあと、男は「俺が出るまで待っとけよ」などと叫び、法廷をあとにしました。

この事件をめぐっては、あおり運転の危険性から道路交通法が改正され、妨害運転が厳格な取り締まりの対象になりました。

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