90年代前半、東京アンダーグラウンド・ロックの最高峰。JAZZY UPPER CUTが残した2作品が2枚組CDで復刻。4月7日には新宿LOFTで記念ライブも

90年代前半に活動し、パンク、ヒップホップ、ジャズ、ファンク、ノイズ等々を偶発的に昇華させた、東京のアンダーグラウンド・ロックの最高峰とも言えるJAZZY UPPER CUTが残した2作品がCD復刻される。 80年代初頭、麿赤兒率いる暗黒舞踏集団「大駱駝艦」の舞踏手、映画『闇のカーニバル』(山本政志監督)の主演、JUNGLE’Sのボーカリストであった桑原延享が、1990年、盟友・江戸アケミ(JAGATARA)の追悼コンサート出演をきっかけに結成したJAZZY UPPER CUT。 メンバーは桑原延享のほか、ジャズに留まらず国内外で幅広く活動している石渡明廣、早川岳晴、つの犬こと角田健、THE FOOLSの川田良、JAZZ評論家としても知られる寒川光一郎、メルツバウの坂井原哲生、そして、世界的ターンテーブル奏者であるDJ KRUSHなどツワモノ揃いの11人。 当時はヒップホップに感化された大編成バンドとしてビブラストーンと比較されることもあったが、奇跡的なラインナップによる強靭な演奏と生々しく先鋭的な言葉は人脈的にも音楽的にも、暗黒大陸じゃがたら『南蛮渡来』(1982年)やTHE FOOLS『WEED WAR』(1984年)の潮流にあるものである。

このたび、彼らが残した全作品である、ファースト・アルバム『JAZZY UPPER CUT』(92年5月発売)、92年12月の渋谷クラブクアトロ公演を収録したライヴアルバム『QUIET NIGHT』(93年4月発売)を復刻、2枚組CD『1992 Revisited』としてリリース。マスタリング・エンジニアは中村宗一郎が手掛けている。 4月7日には新宿ロフトで発売記念ライヴを開催、CDの先行販売も予定している。

JAZZY UPPER CUT メンバー

*1992年の編成、カッコ内は経歴

桑原延享:Voice(DEEPCOUNT/元・GAMBLE、JUNGLE’S)

石渡明廣:Guitar(MAD-KAB-at-AshGate、渋谷毅オーケストラ、渋さ知らズほか)

川田良:Guitar(THE FOOLS/元・JUNGLE’S、午前四時ほか)

早川岳晴:Bass(HAYAKAWA、CHABO BAND、麗蘭/元・生活向上委員会大管弦楽団ほか)

角田犬(つの犬):Drums(大太太犬/元・ヒカシュー、山下洋輔バンド、綾戸智恵グループほか)

Tahi:Percussion(元・THE VOICE & RHYTHMほか)

斉藤トオル:Keyboard(元・伊藤ヨタロウwithメトローマンスホテル、遠藤ミチロウ・パラノイアスターほか)

寒川光一郎:Alto Sax,Bass Clarinet & Flute(元・林栄一・林管楽交、久住昌之とモダンヒップほか)

バラ(坂井原哲生):Voice & Performance(元・メルツバウ、大駱駝艦ほか)

TaRA:Chorus & Voice

DJ KRUSH:Turn tables

© 有限会社ルーフトップ