【2024年シーズン展望~ア・リーグ西地区】地区3連覇の常勝軍団とワールドチャンピオンが狙う地区制覇

2023年のペナントレースではシーズン最終戦で地区優勝が決定するという劇的な戦いを繰り広げたアストロズとレンジャーズ。最終戦で敗れ、惜しくも地区優勝とはならなかったレンジャーズはその雪辱をポストシーズン(PS)で晴らし、球団史上初のワールドシリーズ制覇を成し遂げた。一方、PSでの屈辱を晴らしたいアストロズは球界屈指のクローザーを獲得し、磐石の布陣で今季に挑む。

昨季はシーズン最終戦でアストロズが勝利し、レンジャーズが敗れたため、90勝72敗で両チームが並ぶも、直接対決での成績が上回ったアストロズが地区3連覇を達成した。その後、レンジャーズはPSで快進撃を見せ、球団史上初のワールドチャンピオンに輝いた。

今季も熾烈な争いが予想されるア・リーグ西地区だが、2月26日時点で、データサイト「ベースボール・プロスペクタス」の成績予想システムである「PECOTA」による今季の順位予想がこちら。

1 アストロズ(94.8勝67.2敗/勝率.585/プレーオフ進出確率91.8%)
2 レンジャーズ(86.0勝76.0敗/勝率.531/52.6%)
3 マリナーズ(84.6勝77.4敗/勝率.522/42.7%)
4 エンゼルス(73.8勝88.2敗/勝率.456/2.8%)
5 アスレチックス(64.4勝97.6敗/勝率.398/0.1%)

地区3連覇、ポストシーズン(PS)には7年連続で進出中の常勝軍団、アストロズがやはり1位の予想だ。好調だった打線に大きな変化はないが、正捕手にはメジャー2年目のヤイナー・ディアスが入るとみられており、徐々に若返りも図っている。

投手陣も盤石で、ジャスティン・バーランダーを中心に、メジャー1年目から11勝を挙げたJ・P・フランスもローテーションを狙う。また、怪我で離脱中のランス・マカラーズJr.(2022年13勝)とルイス・ガルシア(2022年15勝)も夏には戻ってくる予定なので、そこからさらなる戦力アップが予想される。ブルペンは昨季31セーブのライアン・プレスリーがセットアッパーに回り、パドレスから3年連続で30セーブ以上を挙げている球界屈指のクローザー、ジョシュ・ヘイダーを獲得して盤石の戦力を整えている。

2位予想はチーム史上初のワールドシリーズ制覇を飾ったレンジャーズだ。2年間で29本塁打を放った指名打者のミッチ・ガーバーがFAとなり、マリナーズへ移籍。そこには、今季メジャーデビューを飾るであろうプロスペクトのジャスティン・フォスキューが入ると見られており、未知なる大器の覚醒が注目される。

投手陣は、ジェイコブ・デグロム、マックス・シャーザーなど、実績のある投手がシーズン序盤は怪我で出遅れる。復帰は夏頃になる予定であり、それまでネイサン・イオバルディを中心とした他の投手陣の踏ん張りが鍵になるだろう。

3位予想のマリナーズは、浮き沈みが激しかった打撃陣に、ツインズからトレードでホルヘ・ポランコ、FAでは2019年に31本塁打を放っているミッチ・ガーバーを獲得し、さらには2021年にマリナーズで39本塁打を記録したミッチ・ハニガーをジャイアンツとのトレードで呼び戻すなど、積極的な補強を行った。そして、昨季リーグトップクラスの安定感を見せた投手陣は今季も健在だ。

大谷翔平が抜けたエンゼルスは4位予想となっており、厳しい戦いが予想される。ただ、エンゼルスが誇る稀代のスーパースター マイク・トラウトは「このチームで優勝したい」と力強い発言をしており、今季の番狂せに期待したい。5位予想はアスレチックスだが、こちらはチームの移転問題が相変わらず取り沙汰されており、いろんな意味で注目を浴びるシーズンとなりそうだ。

3強の争いとなりそうなア・リーグ西地区を制するのはどこか。夏頃に投手陣が復帰して戦力が整うアストロズとレンジャーズ。昨季好調だった先発陣が揃って開幕を迎えるマリナーズ。そこにエンゼルスとアスレチックスが割って入ることができるのか。熾烈な上位争いに注目したい。

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