イカナゴのシンコ漁、播磨灘は3月9日解禁 大阪湾は初の休漁 漁業者ら再協議で結論

春の訪れを告げるイカナゴの稚魚「シンコ」=神戸市内

 不漁が予想されている今年のイカナゴのシンコ(稚魚)漁について、兵庫県と大阪府の漁業者らは26日、大阪湾での漁を今季は見送り、播磨灘での漁は3月9日を解禁日にすると決めた。兵庫県によると、統一の解禁日を設けた1993年以降で大阪湾の休漁は初めて。播磨灘の漁期は解禁後の水揚げなどを考慮して決める。

 シンコ漁の日程は、播磨灘と大阪湾の漁業者らがそれぞれ、漁況予報や試験操業などを基に自主的に決める。県水産技術センター(明石市)は19日、「漁獲量が激減した2017年以降の不漁年の中でも最も厳しい漁模様が予想される」と予報。22日には漁業者らが試験操業を実施し、解禁日を協議したが結論が出ず、26日に再協議した。

 シンコ漁は例年2月末~3月上旬に解禁しているが、近年は極端な不漁が続き、かつては1カ月余りあった漁期を数日~約20日に短縮している。昨年は3月4日に解禁されたものの、大阪湾は同8日、播磨灘は同17日で漁を終えた。

 神戸市内でイカナゴ漁やシラス漁を主に営む漁業者でつくる「摂津船びき網漁業協議会」の前田勝彦会長は「イカナゴの食文化を守るための決断。播磨灘も漁期をなるべく短くして、共に海の資源を守っていけたら」と話している。(三宅晃貴)

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