犬が『夜鳴き』をしてしまう7つの心理 その理由や病院に連れていくべき鳴き方とは

犬が「夜鳴き」をしてしまう心理

犬の「夜鳴き」をやめさせるには、適切な対策を取ることが重要です。そのためには、まずは犬が夜鳴きをする心理や原因を確認しておく必要があります。

そこで今回は、犬が夜鳴きをしてしまう7つの心理をご紹介します。

犬の年齢によって対策はことなりますが、場合によっては病院に連れていくべき場合もありますので、愛犬の夜鳴きに異変を感じている方はぜひ参考にしてください。

1.寂しさや甘えから

犬が「クーン」などと夜鳴きをするのは、「寂しい」「かまってほしい」という心理になっていることが多いです。

犬は群れで暮らしていた習性を持つため、孤独になるのが苦手です。そのため、迎え入れたばかりの犬や、引き取ってきた子犬は夜鳴きが続いてしまうことがよくあります。すなわち、コミュニケーション不足から夜鳴きをするケースです。

このような場合は、愛犬とのコミュニケーションを増やして構ってあげることで寂しさが減り、夜鳴きが減る可能性があります。しかし一方で、対応を間違えてしまうと、「吠えたら遊んでもらえる」と誤解して覚えてしまう犬も少なくありませんので注意が必要です。

対策として、飼い主の匂いがついたタオルを与えたり、小さな明かりやテレビをつけておいたりなど、日中と変わらない状況を作ってあげる方法があります。直接構ってあげることだけが安心感を与える方法ではないので、愛犬の不安をぬぐってあげられる方法をいくつか試してみましょう。

なお、夜鳴きする愛犬を叱ったところで、犬は叱られている理由を理解できない為、効果は一切ありませんし逆効果になることもあります。犬が夜鳴きをしていても叱らず、落ち着くまで様子をみましょう。

2.居心地の悪さを訴えている

犬が急に夜鳴きをすることも少なくはありません。犬が吠えるのは何らかの理由がある時なので、居心地の悪さを訴えている可能性を考えてみてください。

例えば、環境の変化や「寒い」「暑い」など、寝心地が悪い時にも吠えます。ほかにも、外から騒音や喧騒が聞こえてきたなど、犬にとって嫌なことや怖いことがある場合にも「ワンワン!」と夜鳴きをして飼い主を呼ぶことも予測できます。

ほかにも「トイレに行きたい」と訴えるケースも考えられます。この場合、犬が安心できれば、夜鳴きは改善していくはずです。

3.運動不足

成犬が夜鳴きをする多くの理由に、運動不足も挙げられます。昼間にぐっすりお昼寝をしてしまったせいで、夜になっても眠れないのかもしれません。

犬にとって運動不足はストレスにつながるため、有り余った体力を夜鳴きをすることで発散している可能性もあります。夜鳴きに対して注意をしても、犬は「吠えると遊んでもらえる」と受け止めてしまうので注意が必要です。

環境や体調に問題がなければ、散歩時間や遊び時間を長めに取るよう対策をとりましょう。ただし、寝る直前まで夢中になって遊ばせてしまうと興奮が冷めなくなります。

愛犬がほどよく疲れて眠るためには、どのタイミングで散歩や遊びをするのが適切なのか、よく観察することで夜鳴きの改善につながりますよ。

4.体調が悪い

犬が夜鳴きをしたら、体調に異変がないか確認してください。全身に触れながら痛がる場所はないか確認し、歩き方もよく観察しましょう。痛がる場所に触れた時には「キャン!」と鳴くだけでなく、力が入る場合もありますのでよく見てあげましょう。痛みがひどい場合は、勢いあまって咬んでくることもありますので、咬まれないように注意してください。

体調不良が原因であれば早めに病院へ連れて行ってください。必要に応じて写真や動画を残しておくと、診察をする際に役立ちます。

5.発情期を迎えたから

犬は発情期を迎えると落ち着きがなくなり、夜鳴きをすることがあります。とくにオス犬はイライラしやすくなり、遠くに感じたメス犬のわずかなフェロモンに反応をして吠えるなど、発情期の犬は問題行動を起こしやすくなります。

たっぷり散歩をするなど、ストレス発散をすることができれば、犬も寝つきやすくはなります。しかしその散歩でメス犬に会うと飛びついてしまうこともあるので、出かけるタイミングをズラす工夫をしてください。

去勢をすると落ち着く傾向も見られますが、発情期を終えると夜鳴きも自然とおさまることが多いです。またメス犬も、発情期にはイライラしたり体調が悪くなることもあるため、夜鳴きにつながることもあります。

犬の発情期による夜鳴きに悩む場合は、不妊手術の実施などを検討することが多いため、一度獣医師に相談してみることをおすすめします。

6.認知症を患っている

老犬に多く見られるのが、認知症による夜鳴きです。これまで問題がなかった犬も、夜中に遠吠えをしてしまうこともあります。

認知症であれば日中も落ち着きがなくなり、トイレを失敗するなど生活のさまざまなことに異変が見られます。もし夜鳴きが落ち着かない場合は、動物病院で内服薬を処方してもらえることもあるので、一度相談してみましょう。

また、認知症ではなくても、老化にストレスを感じて吠えてしまうこともあります。鼻や耳、足腰が衰えてしまうと、犬も人間と同様にイライラするものです。

夜になると不安を見せる場合は、近くで寝てあげたり撫でてあげたりしながら安眠を促してあげてみてください。なかなか夜鳴きがおさまらない場合は、防音カーテンを使ったり、ケージに防音カバーを設置するなど防音対策を行ってみるのもおすすめです。

7.分離不安によるもの

環境や体調など犬が夜鳴きをする原因がわからない場合は、分離不安を疑ってみましょう。少しでも飼い主さんと離れただけで吠える場合は、分離不安という心の病気を患っている可能性があります。

犬と飼い主が依存し合っていることが原因になるため、少しづつ離れて過ごす時間を設ける必要があるでしょう。飼い主が愛犬の近くで寝るだけで夜鳴きがおさまるケースもありますが、ぜひ一度獣医師やドッグトレーナーに相談してみることをおすすめします。

まとめ

犬が夜鳴きをする問題は、すぐに解消できない所が悩みの種ですよね。

近隣への迷惑ばかりが気になってしまい、今までのように愛犬を可愛がることができなくなることもあります。

ぜひ一人で悩まずに、獣医師など専門家に相談しながら夜鳴きの対策を考えてくださいね。

(獣医師監修:平松育子)

※動画・画像がうまく表示されない場合は「わんちゃんホンポ」サイトにてご覧ください。

© 株式会社ピーネストジャパン