外付けHDD/SSDは売れているか? ヤマダデンキに聞く顧客優先度と人気製品

【データの保存場所どう選ぶ?・4】BCNランキングのデータをもとに、外付けSSD/HDDの需要とメーカーシェア、容量を軸とした市場の変化などをひも解くと、市場が拡大しているとは決していえないが、用途の広がりから必ずしも厳しい状況とはいえなさそうだ。では実際、家電量販店の販売現場では売れているのか。今回は、ヤマダデンキの「LABI東京八重洲」のスタッフに販売状況をはじめ、顧客優先度や人気製品などを聞いた。

LABI東京八重洲の外付けSSD/HDDコーナー

来店者層は30~50代のビジネスパーソン

LABI東京八重洲は、東京駅八重洲口の近くとビジネス街に店舗を構えている。PC周辺機器売り場を担当する西條史剛氏によれば、「お客様は主に30~50代のビジネスパーソンで、PCのデータをバックアップするために外付けSSD/HDDを購入する傾向が高い」とのこと。売れている容量帯は1TBで、ポータブルを購入するケースが多いという。特に、外付けSSDは衝撃に強くデータの読み書きが速いことから、持ち運びの用途で購入するそうだ。また、外付けHDDを購入する目的としてテレビ録画の用途も存在する。据え置き型の4TBが主流とのことだ。

LABI東京八重洲の西條史剛氏

WindowsかMacかでおすすめの製品を提案

来店者の中には、何を購入すればいいか分からない場合がある。その際は、「外付けSSD/HDDの多くはWindowsフォーマットになっているケースが多い。そこで、まずお使いのPCがWindowsかMacかを聞いて製品を提案している。また、Windows PCのインターフェースがType-Cのモデルが多くなっていることから、対応製品をおすすめしている」という。

加えて、書き込み速度についても「PCがUSB3.2 Gen2に対応しているかどうかをお聞きする。スタンダードなPCの場合、高速転送に対応した製品を購入しても効果を発揮しない場合もある。外付けSSDは外付けHDDと比べて高額という点からも、リーズナブルなものをおすすめするなど、お客様に合った製品を提案している」。価格を重視する購入者がいることから、予算に合った製品が求められるとのことだ。

おすすめの製品は?

LABI東京八重洲で売れている製品は用途によって異なるが、据え置き型の外付けHDDではPCのデータバックアップ用途でバッファローが売れているという。4TBが1万円程度で購入できるモデルがあるためだ。加えて、バッファローの製品では1TBのポータブルHDDも売れているという。テレビ録画という用途では、アイ・オー・データ機器の4TBが人気だ。

バッファローの外付けHDD
アイ・オー・データ機器の外付けHDD

外付けSSDでは、サンディスクの人気が圧倒的に高いという。また、エレコムが発売しているUSB型の250GBモデルはリーズナブルという点で気軽に購入しているとのことだ。

サンディスクの外付けSSD
エレコムのUSB型SSD

PC周辺機器の枠を超えた重要アイテム

外付けSSD/HDDの販売状況について、西條氏は「前年と比べれば横ばいと決して伸びているわけではない」と説明した上で、「ただ、PCのデータバックアップやテレビ録画、またスマートフォンのデータバックアップ用途でも使えるという点で、PC周辺機器の枠を超えた重要なアイテム」とアピールする。データをバックアップするというニーズがますます増えていけば、外付けSSD/HDDの販売が伸びる可能性は十分にある。(BCN・佐相彰彦)

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