バティックで浴衣を作る バリ島の森陽子さんにオーダーできます

バティックで浴衣を作ってみたい方、バリ島在住の森陽子さんに注文できます。好きな生地で、自分の体に合った浴衣を手縫いしてくれ、浴衣に合った帯も作ってくれます。服にするだけでなく、「バティック浴衣」の仕立てはいかがでしょうか。(写真は森陽子さん提供)

仕立て中のバティックの浴衣### アジアの布で浴衣を作りたい

子供のころから、蝋のにおいが好きやった」と、森陽子さんは話す。陽子さんは京都出身で、両親は着物の仕事に携わっていた。母はろうけつ染め、父は悉皆(しっかい=着物の反物を作るため、それぞれの工程の職人に業務を仲介する仕事)。ろうけつ染めは、ライティングテーブルの上に図案の紙を置き、その上に反物を載せ、筆で蝋描きする。蝋のにおいが漂う中で、蝋の固まりを粘土のようにして遊んでいたのが、陽子さんの子供時代の思い出だ。

ろうけつ染めの関係で、実はインドネシアとの縁もあった。父がジョグジャカルタへバティックを見に行ったり、母はバティック文様をまねた柄の帯を作ったりしていた。両親が亡くなってから、遺品の中からはバティックの本も見つかった。

陽子さんは子供のころから着物を着るのが好きで、「舞妓さんになりたい」と思うほど。アジアも好きで、「アジアの布の浴衣が欲しい」「いつかアジアの布で着物を作れたらいいな」というのが、高校時代からの夢だった。

実際に和裁を始めたのは、約10年前だ。バリ舞踊を習っている生徒の中で、和裁の先生と知り合うことができた。通常であれば、「まずは運針から」となるのだが、この先生は、作りながら教えてくれる。「だって面白いやん」と、どんな布でも受け入れてくれる。こうして、イカット(絣織り)で浴衣を作ったのが陽子さんの浴衣第1号。

布の裁断、柄の取り方から始まって、出来上がるまで教えてもらい、子供のころからの夢だった「アジアの布での浴衣」を作り始めた。しばらくの間は日本とバリを行き来する生活だったが、2023年7月からバリ島に在住している。

陽子さんの作った、バティックやイカットの浴衣### どんな色や柄でもいい

浴衣に使う布はインスピレーションで選ぶ。浴衣用の布を探しに、陽子さんがよく行くのは、バリ島デンパサールにある布屋街。ぱっと見て、「あっ、これ、浴衣にしたらかわいい」と思う布を買っている。「バティックは元々、着物の生地ではないので、どんな色、柄でも良い」というのが陽子さんの考えだ。「浴衣は遊び着なので、いろんな着方があってもいいのではないか」と話す。

重要なのは、布の幅と長さ。浴衣の袖を取るために、布幅は最低でも102〜105センチ、できれば110センチが必要だ。バティックは何度も水通しをしているのでそれほど縮まないが、イカットだと2〜3センチも縮むことがあり、注意が必要だ。長さは6メートルもあれば、男女ともに、どんな体型の人でも大丈夫。バティック布だと、2枚か3枚になる。うまく柄を合わせるには、もう1枚あった方が良い場合もある。

同じ布2〜4枚が必要、となると、バティックなら型(チャップ)押しで、規則的に同じ柄が全面に押されている布が最も簡単だ。しかし、作りやすい反面、単調で「楽しくない」(陽子さん)ので、柄と色が違う布を使うのもまた、お薦め。チャップ・バティックだと、端に別の模様が入っている物でも良い。「手描きバティックのまったく違う布を使って『左と右が違う』という浴衣も、もしオーダーがあれば、作ってみたい」と陽子さん。

バティックの一枚布のいろいろなパーツを、どううまく使うか。まずは布を広げてみて、配置を決める。どこで袖を取るか、着物で重要な左前をどの部分にするか。袖と胸に、同じ柄が同じ高さで揃うのは見栄えが良くないので、少しずらすようにする。布を並べてみて、おかしくないように配置を決める。

手縫いするので、素材は綿100%の、化繊などの入っていない布。日本から買って来た帯芯を使って、帯も作ってくれる。「浴衣の柄に入っている色を帯に持って来ると、うまく合わせられる」とアドバイス。イカットやデニム生地で、リバーシブルで使える帯にも出来る。そして値段は、驚くほどリーズナブル。

森陽子さん(左)とバリ人の夫のイ・クトゥット・スウェチャさん

バリの小学校で、子供たちに浴衣を着せる「着物プロジェクト」も行っている

森陽子さん
WA:+62 821-4752-9043
IG: @batik_ikat.kimono

料金
浴衣仕立て代50万ルピア〜(布代別)

仕立て代
名古屋帯 50万ルピア〜(布代別)
半幅帯 35万ルピア〜(布代別)
※帯は帯芯代込みの値段

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