本薬師寺跡発掘調査 寺の「南門」の位置と構造が明らかに

橿原市にある7世紀の寺、本薬師寺跡の発掘調査で寺の正門にあたる南門の位置と構造が明らかになりました。

本薬師寺は飛鳥時代に建てられ、奈良市にある薬師寺の前身にあたる寺と言われています。寺の正門にあたる南門は東西約15mという大型のもので、橿原市では門の位置と構造を明らかにするため、ことし2月から発掘調査を行っていました。調査の結果、門の土台となる基壇の盛土と、南東隅に石敷が良好な状態で残ることが確認されました。

石敷は基壇の周りを装飾し参道として整える役割があると考えられ、中門などと同様に軒先から落ちた雨水を排水するための雨落溝があることもわかりました。また南門と中門の間は約20mと、奈良市の薬師寺よりも近接して建てられていることもわかり、市では本薬師寺と薬師寺の関係性や古代の寺院を研究するうえで貴重な成果であるとしています。

橿原市 文化財保存活用課 石坂泰士さん

「これから後の時代(の寺院は)南門が大きくなっていきます。(本薬師寺は)そのはしりの建物になってくる。外から見たときの演出効果を重視するようになっていく時代背景がここから読み取れるのではないかと思います」

なお現地公開は3月2日午前9時から午後3時までで、随時、職員が調査成果を解説するとしています。

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