8年前の悲劇を知るなでしこJ主将、熊谷紗希が大一番へ決意「ここで勝たなきゃ全て終わり」「女子サッカーの未来のためにも」

日本女子代表が2月26日、28日に国立競技場で行なわれるパリ五輪最終予選・第2戦の北朝鮮戦(サウジアラビアでの第1戦は0-0)に向け、千葉県内で練習を実施した。

強風吹き荒れるなか、およそ1時間のメニューをこなした後、キャプテンの熊谷紗希が取材に対応。五輪出場の重要を説いた。

なでしこジャパンは2011年ワールドカップ(W杯)で優勝し、翌年のロンドン五輪と2015年W杯でも準優勝。一気に強豪国の仲間入りを果たしたが、2016年のリオ五輪はまさかの予選敗退に終わり、出場も叶わず。そうした経緯もあり、日本国内で女子サッカー人気は下降線を辿った。

絶頂期も悔しさも知る33歳の主将は、「1戦目の前にチームみんなに話したことでもあるんですけど」と前置きしたうえで、全てが決まる第2戦への決意をこう示した。

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「リオ五輪を逃した後、長くやってきたチームが解散になって、新しい代表としてのチームになるなかで、やっぱり私自身、この最高の仲間たちともっともっと長くやりたい強い気持ちがあって。それが自分のモチベーションになっている意味でも、本当に勝つしかない。自分たちのためにも、女子サッカーの未来のためにも、世界で戦うなでしこをみんなに見てもらえる機会を絶対に逃しちゃいけないと思うので、その気持ちでしっかり戦いたいです。

本当に苦しい時期も私自身は選手として感じました。リオを逃したことが全てではないかもしれないですけど、出場機会を逃したことはすごく大きなダメージになったと思います。やっぱり見ていただけないと、試合をやっていることも知られない状況になってしまうと思うので、少しでも見てもらえる機会を増やしていけるように。切符を取って、オリンピックでも活躍するなでしこジャパンを見せられるようにやっていきたいと思っています」

決戦の舞台は聖地国立。熊谷は「本当にチャンスでしかない」と言う。

「チャンスと同時にここで勝たなきゃ本当に全て終わりなので、そういった意味で最後にホームで戦えることはすごく嬉しく思います。応援してくれている皆さんと一緒にパリ行きの切符を掴める本当に最大のチャンスだと思っているので、私たちにとってのアドバンテージにして、しっかり戦いたいです」

8年前の悲劇を繰り返さないためにも――。なでしこジャパンは難敵を下し、最大のアピールの場ともなる大舞台への切符を掴めるか。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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