「『また、みんなに会いたい』と言ってもらうような観光をしたい」富士山麓のエコツーリズム推進のグランピング施設が準グランプリ【SDGs】

いま、観光業界で注目を集めているのが、「エコツーリズム」という考え方です。その土地の自然や歴史文化などを観光客に楽しく学んでもらい、保全にもつながるという仕組みです。富士山麓で、この「エコツーリズム」に力を入れてきた施設が2月25日、日本の魅力を海外に発信する有力な取り組みと認められ、表彰されました。

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日本のブランド力を海外に知らせる国の取り組み、「クールジャパン戦略」の表彰式。準グランプリとして表彰されたのが、静岡県富士宮市の新谷雅徳さんです。

<エコロジック 新谷雅徳代表理事>
「300近くの中で4つに選ばれたのは、ちょっと驚きましたね」

新谷さんは、富士山麓のグランピング施設「MT.FUJI SATOYAMA VACATION」の代表を務めています。「里山バケーション」は囲炉裏やたんすなどを置き、かつて別荘として使われていた建物を古民家風にしています。まき割りなど、里山の生活も体験できます。

<エコロジック 新谷雅徳代表理事>
「日本の文化や富士山の無形文化の価値を紹介するうえで、出来るだけ里山で、里山文化を紹介したいと思ってつくった施設なんですよね」

富士山麓の自然や文化を体験できるツアーを紹介した動画は、日本の魅力を世界に発信していると評価され、準グランプリを受賞しました。

「富士山は美しいだけでなく、その背後にたくさんのストーリーがあります。だから富士山が大好きです」(動画ナレーションより)

このツアーには富士宮市の歴史や文化に触れられるコースもあります。

<エコロジック 新谷雅徳代表理事>
「富士宮、いいよねとか、富士山、すげえいいよねと言ってもらうのが、観光だと思うので、そう意味では、必ず地域の人と出会う。ヒーローみたいな人がいっぱいいるわけですよね。地域の文化を守っている人たちが。そういう人を紹介して、その人が『すごくよかったよね』って言ってもらって。『また、みんなに会いたい』と言ってもらうような観光をしたい」

今回の動画でも紹介されている和菓子店です。創業50年を超える老舗が「和菓子作り」のコツを伝授します。

<お菓子の国明月堂 中島広人さん>
「下から上に持ち上げていくように。外国の方もすぐにできる」

この和菓子店にはツアーに参加した海外からの客400人以上が訪れています。

<お菓子の国明月堂 中島広人さん>
「外国の方に楽しさを通じたりするうえで、自分も和菓子を作るモチベーションや作りたい気持ちが湧いてくる。よりいろんな種類を作ってみたいなと活力がわいてくる」

浅蒸し製法がこだわりの老舗製茶店です。

<お茶のやま文 佐野照美さん>
「品種としては『さやみどり』というお茶なんですが、うちの茶畑です」

地元産の富士宮茶を飲んでもらい、海外に富士宮をPRします。

<お茶のやま文 佐野照美さん>
「名前が海外では知られていないと思うけど、富士宮のお茶を飲んでいただけるというのは本当にうれしいの一言。富士宮でお茶を飲んでいただいたら、国へ帰って広めて頂きたいなという思い」

富士宮の人たちを巻き込んだインバウンドツアー。この先、大切な事とは。

<エコロジック 新谷雅徳代表理事>
「観光によって環境が悪くなったり、地域が悪くなることがありますので、そのあたりのセンシティブなところを意識しながら、どんなお客様に来て欲しいか、富士、富士宮、静岡、日本が考えることかなと思います」

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