「まずはモニタリングを」「ボーリングを早く着実に進めて」川勝知事と大井川流域トップに隔たり…リニア工事前段階めぐり

リニア中央新幹線のトンネル工事の前段階の「ボーリング調査」をめぐり、静岡県と大井川流域エリアの意見に隔たりが出ています。流域エリアの市長らは早く着手するよう求めていますが、川勝平太知事は慎重な姿勢を崩さないままです。

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<静岡県 川勝平太知事>
「まずはモニタリングをしっかりするということが次の話になるかと思いますね。そういう体制をしっかりすることが大事になる」

2月26日の記者会見で、川勝平太知事が必要性を強調したのは、リニア中央新幹線のトンネル工事の前段階の「高速長尺先進ボーリング調査」のモニタリングです。ボーリング調査は、地質や地下水について調べるもので、山梨県内で実施され、県境から459メートルで機材のメンテナンスを理由にストップしています。

この調査について、県は地下水が山梨県側に流出することなどを懸念し、県境300メートル以内は実施しないようJR東海に求めています。

一方、25日行われたJR東海の丹羽俊介社長と大井川流域の首長との意見交換会では、ボーリング調査の早期着手を求める声が上がりました。

<島田市 染谷絹代市長>
「モニタリングや、高速長尺先進ボーリングについてです。流域はどちらも早く着実に進めてもらいたい」

<JR東海 丹羽俊介社長>
「静岡県内のボーリング調査、これを早く、着実に実施して、その結果について知らせてほしい、こういった、ご意見を頂戴いたしましたため、しっかりと進めてまいりたいと思います」

一方の川勝知事。ボーリング調査について、国が近く設置する有識者委員会によってモニタリングの体制が整ってから判断する考えを示しました。

<記者>
「モニタリングの委員会でボーリング調査はすべきだ、問題ないとなった際には、県としてボーリング調査を認める?」

<静岡県 川勝平太知事>
「そうですね、国家としてそれを安全であると、合理的であると判断されるということであれば」

早く着手したい考えの大井川流域の自治体とJR東海は歩み寄りを続けていますが、待ちの姿勢を貫く川勝知事は孤立しかねない状況です。

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