退団、引退の噂を掻き消すゴラッソ! 存在を証明したモドリッチに指揮官は「ベンチに置くのはとても心苦しい」

レアル・マドリードを率いるカルロ・アンチェロッティ監督が、25日に行われたセビージャ戦で決勝点を挙げたMFルカ・モドリッチについて語った。同日、スペイン紙『アス』が伝えている。

敵となったかつての“王”が統治する牙城を崩せずにいたなか、それを一撃で振り払ったのは、飢える背番号『10』だった。今シーズンはここまでのラ・リーガで20試合に出場しているものの、スタメン出場は11試合にとどまり、プレータイムはレアル・マドリード加入後最短の1017分間となっているモドリッチ。現行契約が今夏に満了になることから、シーズン終了後の去就がメディアを賑わせており、選手本人が拒否したとされているが、レアル・マドリードのコーチ就任の可能性も報じられていた。

そうした状況で迎えた25日、本拠地『サンティアゴ・ベルナベウ』でのセビージャ戦に臨むと、渦中のモドリッチはスコアレスの75分から途中出場。そして81分、ボックス手前でこぼれ球を拾った同選手は、ワンタッチでシュートコースを作り、そのまま右足一閃。レアル・マドリード退団の見方が強いなか、自身の存在を、示威を証明するような、まさにそんなゴールだった。モドリッチが救ったレアル・マドリードは1-0の勝利を収め、優勝に向けて一歩前進している。

試合後、アンチェロッティ監督は「ルカのゴールを祝福した。それは彼にふさわしいものだったからね。素晴らしいゴールを決めたし、出場する度に多くの貢献を示してくれる。ベンチに置いておくのはとても心苦しい。ただ毎日、彼はチーム全員の手本であることをプレーで証明して見せるんだ」と限られた出番のなかでも、ベストを尽くす姿勢に賛辞を送った。

また、モドリッチの去就についても触れた指揮官は「来シーズンどうするかはルカの手の中にある。決断を待つしかない。彼だけではなく、(トニ・)クロースとナチョ(・フェルナンデス)も同じ状況。クラブは今後数カ月ですべてを解決するだろう」としつつ、「ルカの頭の中までは入り込めないけど、私が評価できるのはトッププレーヤーたる振る舞いだ。とても愛情を持っているよ」と明かした。

続けて、「かなり複雑な問題。選手として生きた私には、彼がプレーしているとき、少し悲しんでいるとき…何を考えているのかを理解できる。ただね、誰もがルカのキャリアが終わりに近づいていると見てるけど、彼はそんなことを考えていない。(今年)39歳の選手には見えないよ。客観的な視点からも、そう思う」と語っている。

今一度、白い巨人の背番号『10』は“俺だ”と示したモドリッチ。果たして、クロアチアとレアル・マドリードの“英雄”の行く末は、どのようなものになるのだろうか。

【ゴラッソ】自身の存在を証明したモドリッチ

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