「盗り方がちょっと慣れてない感じ」 防犯カメラがとらえた犯行の瞬間…白昼の「さい銭泥棒」 

防犯カメラは見逃さない。
いまや犯罪捜査の強力な味方の一つとなった防犯カメラですが、今回、カメラがとらえたのは、島根県松江市の神社に白昼現れた「さい銭泥棒」でした。

2月19日正午過ぎの映像です。松江市内の神社の鳥居を一礼してくぐる男。続いて拝殿前でも頭を下げます。信心深いのかと思えば、そのまま神社の裏手へ向かいました。

ほこらの前で背中のリュックサックを胸の前に持ち替えた男が何かを地面に下ろしました。
男が来る前の映像と比べると小さいさい銭箱なのが分かります。
うずくまって何かしている男。50秒後、男はさい銭箱を元あった位置に戻しました。

しかし男はそのまま地面を探っています。
さい銭箱に何か入れる様子もあり、かさばる少額の硬貨を戻していたと見られます。
やがて立ち上がった男の手には、さっきはなかった白い袋が見え何か入っているようです。

次に男は左側のほこらでもさい銭箱に手をかけます。
何回かひっくり返して中のさい銭を地面に落としているように見えます。
座り直した男は地面から何かを拾い集めています。
今度も一部をさい銭箱に戻しているようです。

この映像を撮影したのは、松江市の防犯設備士、塩治厚志さんです。

防犯110番・塩治厚志さん
「今回が初めてじゃないかなとは思いますけど。あまりにも盗り方がちょっと慣れてない感じだったですから。時間も長いですし。お金を拾ってるんですよね。
その仕草が普通の(盗みに)慣れた人は早いんですよ。(この男は)もうすごく余裕たっぷりでやってたから。ああこれはちょっと慣れてない。」

犯人逮捕につながる映像を撮影、お手柄の数々をテレポート山陰でもお伝えしてきた塩治さんですが、男がさい銭箱を動かした時が運の尽きだったといいます。

防犯110番・塩治厚志さん
「ここの神社はですね、さい銭箱をですね、持ち上げるとすぐ社務所の方へ、ベルが鳴るようになってまして。それで(神社側が被害を)確認されてすぐ110番。」

男は神社に7分ほど留まっていた上、犯行を終えて立ち去るまでに5分半ほど要しています。
このため警察によると、110番通報から3分後に警察官が駆け付けた時点でまだ男は境内にいて、警察官と鉢合わせしたとのこと。
警察官到着の20秒後には男を伴い戻って来る姿が映っていて、直後にはもう1人の警察官も臨場。

この時点では男の所持金が盗んだものなのか確定できないとして、窃盗未遂の現行犯で逮捕しました。
逮捕されたのは市内に住む54歳の無職の男で、調べに対し
「お金を盗もうとはしていません」と容疑を否認しているということです。

防犯110番・塩治厚志さん
「最近もちょっと(さい銭泥棒が)出始めてますから、やっぱりあの、さい銭箱を触れるということは捕まるということですから。」

犯罪から社会を守るため、防犯カメラは悪事を見逃しません。

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