「セーラー服の価格差6万円」で論争「もう廃止すべき」「スーツより高い」…公立校の制服を公取委が調査

写真はAC

学校の「制服の価格」について、注目が集まっている。

全国の公立中学・高校の制服価格が、学校によって最大6万円の差があることが公正取引委員会の調査で判明したと、2月26日の「読売新聞オンライン」が報じている。

調査は2022年におこなわれ、制服のタイプ別で最高値と最安値が示されている。たとえば、高校の男子のブレザータイプでは最高が6万3000円、最安が1万8000円。高校女子のセーラー服では6万2000円で最安が1万5000円、などとなっている。

もっとも大きな価格差があったのは、中学女子のセーラー服で、最高7万2000円、最安が1万2000円で、その差は6万円だった。

記事では「同じ業者だけを取引先に選び続ける学校は価格競争が起きず、値段が下がりにくい」との公取委の分析も紹介。「制服メーカーや販売店を入札や見積もり合わせで選ぶ」などの提言を1つでも実施した学校では、制服価格が下がったという。

この記事について、SNSでは次のような反応が。

《今の制服は無駄に高い。大人のスーツより高いのもいっぱいある。おかしなことだと思う。体操着や学校指定の運動靴なんかも品質の割に高すぎる》

《制服代結構な出費です。ぜひ入札で決めて欲しいですね》

また、

《確かに高いけど学校毎にオリジナル制服にすると高くなるのは仕方ない。制服廃止にしたらすぐ問題解決しますけど?》

《完全な「癒着」じゃないか!教科書も文房具も制服も随意契約で学生のために何一つなっていない!全部廃止してもいい!》

など、「制服を廃止すべし」という意見も多い。ただ、それに対しては、

《値段に差があるのは問題だが、それなら私服でって言うのもそれはそれで問題あるよ 基本制服がない小学校で、ほとんど同じ服着てきてる貧乏な子がいじめられたりするからね》

《学校制服は確かに高いが,かといって,私服は家庭格差が表れる》

などの反対意見も少なくない。

「学校制服のはじまりは明治時代、学習院が海軍式の制服を採用したことだとされています。その後、学生間の経済的な格差をなくすなどの目的で徐々に広まっていきました。近年は管理教育の見直しや、個性の尊重などから、制服を廃止する学校も増えています」(週刊誌記者)

2021年度の調査では、東京の都立高校で制服または標準服があるのは182校、なしが14校となっている。

もうすぐ入学シーズン。これから制服を購入する家庭も多いはず。期待に胸をふくらませる子どもを前に、値段の話をしたくはないが、少しでも安いほうが助かる――というのが親の本音か。

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