オアシス、NECの応募差し止めを申し立て 航空電子の自社株買い

Nobuhiro Kubo Makiko Yamazaki

[東京 26日 ロイター] - 日本航空電子工業(JAE)が親会社のNECから株式を買い戻すために実施している自己株式の公開買い付け(TOB)について、香港の投資ファンドのオアシス・マネジメントは26日、NECによる応募を差し止める仮処分を東京地裁に申し立てたことを明らかにした。申し立ては20日付。

NECは保有するJAE株約51%のおよそ半分を売却する方針を示しているが、JAEの買い付け価格1株2605円は、自社株買いを発表する前の株価よりも割安に設定されている。JAEは、過去に複数の買収提案を受けたことを公表している。

オアシスは申し立ての中で、NECの取締役会がJAEの株式を高価格で売却する機会を放棄したとして、株主に対する善管注意義務に違反すると主張している。

オアシスによると、同ファンドはNEC株を300万株以上保有。オアシスは1月30日付でNECに書簡を送り、1株3000円でJAE株を買い取ることを提案したことも明らかにした。

NECは「申し立てがあったことは事実」とした上で、「当該申し立てが認められる理由はなく却下されるべきと考えており、適切に対応していく」とコメントした。

ロイターは14日、JAEが複数のプライベートエクイティファンドから買収提案を受けていたことが分かったと報じた。事情を知る関係者5人によると、NECと上場子会社のJAE両社に対し、市場株価を大幅に上回る買収価格が提示されていた。

JAEは16日、過去に買収提案を受けたことを認めた上で、自己株としての取得が「資本効率向上に寄与し株主への利益還元つながると考え、合理性があると判断した」との見解を公表した。

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