南の島の情熱のアロマ…国産ブランド「徳之島コーヒー」10月にも商品化へ 生産から販売まで島内完結…味の素AGFと丸紅が後押し

熟した実を選んで収穫する参加者=伊仙町面縄の「味の素AGF第2実証農場」

 鹿児島県・徳之島でコーヒーの生産支援をする飲料メーカー・味の素AGFや、地元農家でつくる「徳之島コーヒー生産者会」などが主催する「コーヒーチェリー収穫体験会」が23日、伊仙町面縄の同社の実証農場で初めて開かれた。早ければ10月に地産の「徳之島コーヒー」のドリップ・パック・タイプの商品化が実現する可能性があるという。

 島内から親子連れら約80人が参加。約530本のコーヒーノキから赤や黄の実を採り、徳之島コーヒーを試飲した。

 AGFと生産者会、伊仙町、総合商社・丸紅の4者が2017年、新たな産業の創出を掲げ「徳之島コーヒー生産支援プロジェクト」を始動。島内で生産から商品販売まで担う6次産業化モデルとして、国産ブランド「徳之島コーヒー」の確立を目指してきた。現在、農家32人が約3ヘクタールで約1万本を育てている。

 生産者会の泉延吉副会長(75)は「収穫期が12~5月と長いのが魅力。十分に採算が取れる作物なので、多くの島民に挑戦してほしい」と呼びかけた。AGFの竹内秀樹社長は「徳之島のコーヒー産業が育つよう、われわれも技術面でしっかり支援していく」と語った。

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