【2024年】ホンダの軽商用EV「N-VAN e:」の価格は269万9400円〜! 「N-ONE e:」も2025年に登場予定

2024年4月発売予定のホンダ「N-VAN e:」は、軽商用バンのN-VANをベースにした電気自動車です。ホンダの販売店でN-VAN e:について調査した結果、価格や航続距離などが明らかになりました。カーライフ・ジャーナリストの渡辺陽一郎さんが、N-VAN e:のグレード別の価格や装備、バッテリー容量、荷室の使い勝手などを解説します。

ホンダ N-VAN e:

ホンダ N-VAN e:の価格(販売店調べ)

※Honda ONとは、ホンダのサブスクリプションサービスのこと。プランや地域、月間走行距離によって毎月の支払額が異なります

※上記は補助金を差し引く前の定価

ホンダ N-VAN e:の主要装備

Honda Power Supply Connector

ホンダ N-VAN e:のレビュー・評価

ホンダ N-VAN e:は2024年4月に発売!

N-VAN e:の充電イメージ

電気自動車は、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量を抑制する手段として注目されています。そのため、各メーカーは新しい電気自動車の開発に取り組んでいます。

ホンダでは、電気自動車(EV)「Honda e」の生産が2024年1月に終了しましたが、その代わりにN-BOXをベースに開発された軽商用バン「N-VAN」のEV版「N-VAN e:」を導入する予定です。

販売店によると「発売は2024年4月ごろ」で、価格は上記の通り269万9400円からとなります。

N-VAN e:の価格とグレード構成、補助金

N-VAN e:

グレードは「N-VAN e:L2」、「N-VAN e:L4」、「N-VAN e:FUN」の3つです。このうち、N-VAN e:L2は、定額制カーリースの「Honda ON」専用車となります。

購入できるグレードは、ベーシックなN-VAN e:L4(269万9400円)と、上級のN-VAN e:FUN(291万9400円)です。

電気自動車の購入に際しては、申請によって国や自治体から補助金が交付されます。

N-VAN e:の交付額はまだ明確ではありませんが、おそらく軽自動車のEVである「三菱 ミニキャブ EV」や「日産 サクラ」と同様に、国からは55万円が交付されると考えられます。

日産 サクラ, 三菱 ミニキャブEV
日産 サクラ, 三菱 ミニキャブEV

その場合、国の補助金額を差し引いた実際の価格は、N-VAN e:L4が214万9400円、N-VAN e:FUNは236万9400円となります。

N-VAN e:の航続距離とバッテリー|パワフルなモーターと実用的な駆動力が魅力!

ジャパンモビリティショー2023で公開されたN-VAN e:のプロトタイプ

N-VAN e:のメカニズムは正式に発表されていませんが、モーターの最高出力は47kW(64馬力)です。この数値は軽自動車のターボと同じですが、実用域の駆動力はモーター駆動のN-VAN e:が上回ります。

さらに、モーターはアクセル操作に対する反応がエンジンよりも機敏なので、N-VAN e:では車両重量が1トンを大幅に超えるにもかかわらず、余裕のある運転感覚を味わえるでしょう。

リチウムイオン電池の総電力量(容量)は明らかにされていませんが、取材したところ約30kWhと予想されます。1回の充電での走行距離は「210km(WLTCモード)になる」と販売店が述べています。

他の軽自動車サイズのEVと比べてみましょう。サクラとミニキャブEVの駆動用電池の総電力量は両車ともに20kWhです。この2車種の走行距離は180kmになるため、30kWhで210km走行できるN-VAN e:は軽自動車サイズのEVの中では走行距離が長く、余裕を持たせています。

N-VAN e:の充電は、6kWの普通充電では約5時間かかります。50kWの急速充電では、約30分で80%まで充電できます。そのため、日中に走行し、夜間に自宅や営業所で充電するのが一般的な使い方となるでしょう。

ホンダ N-VAN e:の居住空間と荷室

N-VAN e:は、N-VANのガソリンエンジンモデルと同様に、広々とした居住空間と荷室を備えています。

後席側にはスライドドアが装着されており、左側のピラー(柱)はドアに内蔵されるため、前後の両方が開くと開口幅が1580mmになります。

車内のレイアウトもユニークで、後席に加えて助手席も床面に収納することができます。この状態では、運転席以外は全て平らな荷室となり、荷物の積載性がさらに向上します。

画像はN-VAN

助手席を収納すると、車内左側の最大荷室長が2645mmになるため、長いカーペットのような荷物も左側の広い開口部から簡単に積み込むことができます。

また、リヤゲート部分は路面から荷室床面までの高さが540mmと低いため、荷物の出し入れもスムーズに行えます。

N-VAN e:は、広々とした空間と使い勝手の良いレイアウトにより、さまざまな用途に活用できる実用的な軽自動車サイズのEVと言えるでしょう。

ホンダ N-VAN e:のグレード選び

N-VAN e:には3つのグレードがあります。

このうち、おすすめはN-VAN e:FUNです。

N-VAN e:L4より価格は約22万円高いですが、LEDヘッドライトやボディカラーと同色のドアミラー、ワントーン4色とツートーン4色の計8種から選択できる豊富な外装色など、充実した装備が魅力です。

Honda ON専用車のN-VAN e:L2は、左側のシートを装着していません。そのために車内の左側は床が下がり、積載性を一層高めています。

右側には運転席があり、その後ろ側には小さな後席が装備され、N-VAN e:L2の乗車定員は2名となります。

ホンダ N-VAN e:はガソリン車に比べてお得?|1500Wの電源供給などEVらしい機能を考えると納得

N-VAN e:(FUNはガソリン車と同様の丸目ヘッドライトが装備される), N-VAN
N-VAN e:(FUNはガソリン車と同様の丸目ヘッドライトが装備される), N-VAN

まずはともに装備が充実したグレードのN-VAN e:FUNと、ベース車のN-VANで比較しましょう。

N-VANで装備を充実させ、動力性能を高めたグレードとしては、N-VAN+FUNターボ(182万6000円)があります。

N-VAN e:FUNは、N-VAN+FUNターボと比べて約109万円高いですが、補助金が55万円と仮定してこれを差し引くと、実質価格差は約54万円になります。

N-VAN e:のライバル車と言えるサクラのGグレードとベースとなる日産 デイズでも比較してみます。

サクラ Gとデイズ ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディションの価格差は約111万円です。

補助金の55万円を差し引くと実質価格差は56万円になるため、N-VAN e:とN-VAN+FUNターボの価格差とほぼ同じとなります。

(左から)サクラ、日産 デイズ

また、N-VAN e:は、前述の通り駆動用リチウムイオン電池の容量が30kWhで、十分な余裕があります。急速充電器の使用を含め、走行可能な距離も長いです。

補助金を含めてベース車との価格差が54万円という金額は、割安とは言いがたいですが、EVの機能を考えれば納得できるでしょう。

N-VAN e:の一番のメリットは、環境への優しさです。走行中は二酸化炭素や排出ガスを一切生み出しません。

また、エンジンに比べて騒音が少ないことも魅力でしょう。これにより、走行中も快適に過ごすことができます。

そして、ガソリン車に比べて自動車税や自動車重量税も安いこと、エネルギーコストが安く抑えられるのも魅力的です。

N-VAN e:のもう一つの大きなメリットは、1500Wの電源供給機能です。普通車ではハイブリッド車で1500Wの電源供給が普及していますが、軽自動車ではEVのみ装備されます。

これは調理器具や照明を使用する移動販売車などのビジネスシーンや、自宅から近いキャンプ場などでの車中泊を楽しむパーソナルユーザーなど、さまざまな用途で活用できます。

ホンダ N-ONE e:も2025年に登場予定|軽自動車サイズのEVの将来性

ホンダ N-ONE

ホンダは、2025年にN-VAN e: と共通のパワーユニットを搭載した軽自動車サイズのEV「N-ONE e:」 を発売予定です。

EVは、1回の充電で走行できる距離がガソリン車に比べて短いという欠点があります。しかし、軽自動車は短距離の移動手段として多く使用されるため、この欠点は軽自動車にとって大きな問題ではありません。

実際に、サクラは2023年に国内で販売された乗用電気自動車の40%以上を占めるほど人気があります。

軽自動車は、電気自動車の普及に重要な役割を果たしていくでしょう。

今後、N-VAN e:やN-ONE e:をはじめとする軽自動車サイズのEVが続々と登場し、市場はさらに拡大していくと考えられます。

軽自動車サイズの電気自動車は、環境への優しさと利便性を兼ね備えた、次世代の移動手段として期待されています。

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【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:佐藤 正巳/茂呂 幸正/本田技研工業/三菱自動車】

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