ソン・ハユン「私の夫と結婚して」の悪役で大ブレイク“パク・ミニョンにはメールで気持ちを表現した”

写真=キングコング by STARSHIP

ドラマ「私の夫と結婚して」で最も恩恵を受けたのはソン・ハユンではないだろうか。デビュー後、初めて悪役を演じたという彼女は「なぜ今になってこの役をやったのか」と思うほど完璧な演技を披露し、女優人生最高のキャラクターに出会ったという評価を受けた。没入感を与えるしっかりとした演技が視聴者を魅了し、他の人が演じるチョン・スミンは想像できなくなった。確かに憎らしい人物だが、そう見えれば見えるほど彼女は輝いた。悪役が溢れるこのドラマで最も強烈な印象を与え、注目されたソン・ハユン。これから彼女が見せてくれる演技が楽しみだ。

―― 「私の夫と結婚して」が放送終了を控えています。

ソン・ハユン:よかったです。たくさんの話が盛り込まれているので心配しましたが、すべてが無事に終わって本当に良かったと思います。

―― 最近ますます注目されていますが、人気を実感していますか?

ソン・ハユン:今感じるのは、1年間「チョン・スミン」を準備しながらとても寂しかったということです。でも、世論を見たら、その寂しさが全部解消されるような気がしてよかったと思います。最初はチョン・スミンとして生きるために、絶えず私を説得して苦しめたので、寂しくて抵抗感もあって大変でした。

―― チョン・スミンという人物が非難されることを予想しましたか?

ソン・ハユン:予想したというより、この役が絶対に捨てられないように、愛されるようにしっかり抱きしめなければならないと思いました。それでも不思議なのが、チョン・スミンは非難されましたが、ソン・ハユンは非難されませんでした。よかったです。

――なかなか難しい役だったと思いますが、この作品を選んだ理由が気になります。

ソン・ハユン:個人的に私の演技に倦怠感のようなものがあって、同じパターンで繰り返される女優としての生活が嫌だったのだと思います。初めて台本を読んだ時、スミンの周りに誰もいなかったんです。その時、「ああ、チョン・スミンはソン・ハユンが守ってあげなきゃ。この役を抱きしめてあげなきゃ」と思いました。

――それでは、演技しながらチョン・スミンの行動を理解するようになりましたか?

ソン・ハユン:今も理解できません。実は、まだこの人物を定義することができないんです。確かなことは、スミンがかわいそうではなかったことです。当然の結果であり、女優としてそのキャラクターがかわいそうだと思うけれど、現実では絶対に会いたくないです。

――理解できなかったと言われましたが、とてもリアルな演技を見せてくれました。

ソン・ハユン:撮影が始まると、別の世界に入るような感じでした。「カット」という声と共に現場に戻ってくるような気がしました。今回の作品で特にこのような経験をたくさんしたと思うのですが、不思議な気持ちです。

――本番を見て自分の演技に驚いたことはありませんか?

ソン・ハユン:驚きました。チョン・スミンに取り憑かれたようです。この役を演じながら、日常の自分の姿を見ると、チョン・スミンとして生きていけないと思って、Instagramも全部削除しました。私の本当の姿が、視聴者の方々がチョン・スミンを見る時、邪魔になりたくなかったんです。

――それくらい没頭していたら、周りの知人たちの反応も気になりますね。

ソン・ハユン:知り合いにも会わず、1年間自分を苦しめました。悪役が初めてで、方法が分からないので、とりあえずできることを選ばずにやったと思います。驚いたのが、私がそうやって遮断したのに、むしろもっとたくさん連絡してくれて、私を守ってくれたんです。そのおかげで元気に帰ってくることができました。

――そこまでしたのに後遺症はなかったのですか?

ソン・ハユン:今、経験しています。1年間、スミンとして生きていきながら「辛い」とか、「寂しい」とか、このような感情を口にしませんでした。本当に辛くなるんじゃないかと思って。でも、終わってみたら「確かに大変だったんだな」と思って涙が出ました。チョン・スミンを準備する時は涙もほとんど流したことがありませんでしたが、その時我慢したのが込みあげてきたような気がします。

――同じ年頃の俳優たちがほとんどでしたが、現場はいかがでしたか?

ソン・ハユン:現場ではそれぞれ良いところを学んだリ、話し合ったりしましたが、チョン・スミンはキャラクター上、孤立しなければならないので、ふざけたりとかはできませんでした。俳優たちもきつい台詞を聞くと、思ったより衝撃が大きいんです。だからミニョンに「ソン・ハユンはミニョンのことが大好き」とメールを送りました。ミニョンとはお互いに目が合うだけで涙が出るから演技ができないと思って、言葉では言えなかったんです。

――キム・ギョンウク役のキム・ジュンヒさんと実際には2歳差であることが話題になって、童顔女優として注目されました。

ソン・ハユン:先輩がSNSをご覧になったそうです。それで「これはダメだ」と思って、放送終了の時、前髪を下ろしたそうです。それがまた話題になりました。それとは別に、ジュンヒ先輩は演技がとてもお上手で、エキストラの方々も演技を鑑賞していました。先輩の演技を見ること自体がとても良い経験でした。

――ドラマには悪役がたくさん登場しました。最高のヴィランは誰だと思いますか?

ソン・ハユン:スミンの立場では、申し訳ないけれど、ジウォンだと思います。友達として愛したことも確かで、人生になくてはならない存在なんです。でも、どうかいなくなってと思うから、複雑な気持ちで結局答えが出なくて、スミンにだけはジウォンが最高の悪者だと思います。

――また悪役を演じたいという気持ちはありますか?

ソン・ハユン:もちろんあります。私はすべての役をやりたいですし、悪役ももっと健康的な方法でこなせると思います。以前は色々考えて、自分に圧力をかけて演技をしていましたが、スミンのおかげで今は本当に“演技”をしているような気がして、これからどのような演技ができるだろうかと私も気になっています。

――「私の夫と結婚して」はどのような意味を持つ作品として記憶に残ると思いますか?

ソン・ハユン:「あなたは36歳の時に何をしたの?」と言われたら、「私は、チョン・スミンとして生きていた」と答えられるドラマとして記憶に残ると思います。チョン・スミンを胸に抱いて、他の演技に挑戦する自分が楽しみですし、すでに撮ってある作品もあるので、楽しみに待っています。

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