校舎壁面に巨大倉庫絵 国史跡PRで群馬・伊勢崎殖蓮小

伊勢崎殖蓮小の校舎に描かれた八角形倉庫のシルエット

 群馬県伊勢崎市の国指定史跡「上野国佐位郡正倉跡」に敷地がある伊勢崎殖蓮小(中沢睦宏校長)の校舎に、全国初の発見で話題となった八角形倉庫を原寸大で描いたシルエットがお目見えした。高さ13メートルと巨大で、横幅はスペースの都合で半分だけの形状だが、「大きさがイメージできる」と好評だ。

 周辺からは7世紀後半~10世紀前半の倉庫群が確認されており、2014年に国史跡に指定された。市教育委員会による05年の調査で、校庭から八角形倉庫の遺構が見つかり、建物は佐位郡正倉院のシンボルとして建てられたと考えられている。

 市教委文化財保護課によると、史跡の活用について「目に見える形で何かできないか」という要望が市民から寄せられていた。シルエットがあるのは南校舎の西面。現存する別の倉庫や文献などから復元した模型を基に、入り母屋造りの屋根や土台の形がベージュ系の色で描かれた。

 同校は本年度の外壁塗り替えに伴い、同課と相談して描くことを決めた。開校150周年の節目にも重なる記念となった。八角形倉庫などについての説明用看板を設置する方向で調整している。

 中沢校長は「スケールの大きさを視覚的に伝えることができる」と強調。児童が貴重な文化財や地域の歴史を理解するのにも役立つとした。

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