男性の性被害、支援学ぶ 臨床心理士招き研修会 茨城県警

性犯罪被害者の対応について語る宮崎浩一氏=茨城町上石崎

性被害に遭った人への対応を学ぼうと、茨城県警は26日、同県茨城町上石崎の県警察学校で研修会を開き、県警本部や警察署に勤務する職員約100人が参加した。性暴力の被害者に特化した研修会は初めて。

講義では、臨床心理士の宮崎浩一氏が男性の性被害について、強制わいせつや不同意性交の認知件数が増加傾向にある現状を指摘。被害者は社会的な「男らしさ」に縛られて被害を打ち明けにくく、「相談の壁がある」と説明した。

宮崎氏によると、支援者は時系列で話を聞くのではなく、「感じたことを教えて」などと被害者の心情に沿った方が相談内容を引き出しやすいとアドバイスした。加えて、性暴力などへの知識をあらかじめ蓄えておくことで、被害者に心的外傷(トラウマ)などの二次被害を与えてしまうのを防止できるとした。支援者側が受ける心理的なショックについても助言した。

県警によると、2023年1年間の県内の不同意わいせつの認知件数は99件で、このうち6件で男性が被害に遭った。県警犯罪被害者支援室の須永昇室長は「学んだことを踏まえ、被害者の心情に配した聴取を心がけていきたい」と話した。

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